産官学民の連携で続く清掃活動が25年目に突入
6月1日(土)、工学部の学生・教員・卒業生と古川池愛護会による清掃活動が行われました。清掃活動終了後は懇親会も開催する二部構成となり、地域貢献と研究活動、さらに学生たちが将来を考える就職活動の機会にもなりました。
毎年春秋の年2回行われてきた徳定川清掃活動は、土木工学科の水環境について学ぶ研究室等の学生・教員が中心となって始めたもので、今年で25年目を迎えた歴史ある地域活動です。現在、キャンパス周辺の4町内会で結成された古川池(徳定川)愛護会(会長:高橋晋也氏)を主体とする住民との協働で、主に古川池で実施されています。
その活動を発展させたロハス工学センタープロジェクト「古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(リーダー:土木工学科 手塚公裕准教授)」は、より良い古川池の姿を求めるというミッション遂行のために、平成8年に提出された郡山浪漫回廊計画(案)の実現を目指して、古川池の治水対策や環境整備に関する研究活動を行っています。第1期「古川池を知る」を経て、第2期「理想の姿を考える」に入り、本年度からは近隣の高校の生徒も参加するなど、産官学民が協働で行う大きな取り組みに発展しています。
この日の清掃には学生約100名(内、課外講座受講生9名)、教員10名、日大東北高校理科部の生徒10名、卒業生と協力企業の方々約120名、そして古川池愛護会の方々を含む総勢250名以上が参加。清掃活動の発起人である日本大学名誉教授の中村玄正先生や品川萬里郡山市長(写真)も応援に駆け付け、熱いエールを送ってくださいました。清掃は5つのエリアに分かれ、それぞれ9つの研究室の学生が分担して各エリアのリーダーを務め、ごみの収集作業にあたりました。
清掃終了後は古川池愛護会の皆さんと工学部有志から提供された豚汁をいただきひと休み。その後、ハットNE2階のカフェテリアに移動し、懇親会を行いました。
企業と学生がつながるアットホームな懇親会
懇親会には30社以上の企業の方々が参加され、1年生から4年生の皆さんがざっくばらんな雰囲気の中で直接お話を聞ける機会となりました。スタート直後は緊張している様子も見られましたが、徐々に今日の活動のことも含め、日ごろの業務内容やどんな学びが将来の道に繋がっていくのかなど、熱のこもった会話が各テーブルで繰り広げられていきました。
通常の企業訪問などとは異なり、企業の方同士の会話の中に学生が参加している様子も見られるなど、まさに距離の近い会社説明会となったのではないでしょうか。卒業生の先輩も多く参加し、日本大学工学部から社会に羽ばたいて大いに活躍する姿とともに、母校や後輩を慈しむ姿も見せてくれました。
参加した学生からは、「多種多様な企業が来ていたので、大変勉強になりました」 「県外での就職を考えていましたが、県内の企業にも目を向けるきっかけになり、視野が広がりました」「直接聞いてみないとわからないこともあるので、大学に来てくださって大変ありがたいと思います」「卒業生も多く参加されていて、自分の具体的な将来像を描くことができました」「大学主催なので参加しやすく、短時間にいろいろな企業を回れるのは良かったです」 「話を聞いてみたいと思った企業以外にも話を聞くことができ、大変有意義でした」という声が寄せられました。特に3年生にとっては、これから就活が始まる前に企業の方と交流できて、貴重な経験になったようです。
閉会の挨拶では、古川池愛護会の髙橋晋也会長(平晋建設株式会社/代表取締役社長)が「愛護会を立ち上げから10年目、こんなにたくさんの方が集まる会を開けるようになるとは想像もしていなかった」と目頭を熱くしながら、感謝の気持ちを伝えました。就職氷河期の時代に大学を卒業した自身の経験とそれを境に変化していった日本の経済や社会情勢に触れ、福島県や郡山市の土木の技術を支えてきたのは工学部の卒業生たちだと強調しました。
そして、企業の方々に対し「清掃活動のみならず、手塚先生をはじめとする土木工学科の先生方が技術を駆使して産学官民で取り組んでいるロハスの池プロジェクトに協力いただき、郡山市、工学部とともに発展していただきたい」と切に願いました。さらに、学生たちがこの地域で学んだことに誇りと愛着を持ち、未来につなげられるように盛り上げていただきたいと熱い思いを語られました。最後は会場の皆さまと心を一つにして、一丁締めで締めくくりました
最後になりますが、ご参加いただいた皆さま大変ありがとうございました。今後も取り組みの輪を広げていき、古川池の環境保全と地域貢献に努めてまいります。次回『秋の陣』へ、多くの学生の皆さんと地域の方々、卒業生のご参加をお待ちしています。