復興への取り組み

ふるさと創生支援センター長
岩城 一郎

3.11東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故は、我々技術者を養成する大学と、これから工学技術を学ぼうとする人々に多くの課題を投げかけました。例えば、自然と共生する災害に強い街、また、エネルギー消費を抑えても快適に生活できる空間はどのようにして実現できるのかなど、既成の工学領域だけでは解決困難な問題への解答が求められています。繰り返される自然災害での被害を最小限にすること、すなわち、減災には災害に対する考え方と技術革新が必要です。今回のような災害を踏まえ、工学部が主張する持続可能な社会形成と循環型再生エネルギーを活用した「ロハス工学」の考え方は、減災への技術革新の起爆剤になると考えております。

被災地にある大学として、学生が安心して学生生活が送れるよう、教育環境の維持と安全確保に努めるとともに、研究活動や人的・経済的支援を通して、地域の人々を守り、復興や発展に貢献することが工学部の責務であると考えております。平成24年4月に環境保全・共生共同研究センター内に開設した「ふるさと創生支援センター」では、さまざまな研究プロジェクトを推進しており、多くの研究者が連携しながら福島の復興に取り組んでおります。 今後も地域のために、災害に強いまちづくりや持続可能な社会の構築、世界に発信できる技術開発、次代を担う人材育成を目指し尽力してまいります。