産官学民の連携で生み出すパワーが継続させる清掃活動
5月20日(土)、工学部の学生・教員・卒業生と古川池愛護会による清掃活動が行われました。今回は3年ぶりに懇親会も開催する二部構成となり、地域貢献と研究活動、さらに学生たちが将来を考える就職活動の機会にもなりました。
毎年春秋の年2回行われてきた徳定川清掃活動は、今年で24年目を迎えた歴史ある地域活動です。土木工学科の水環境について学ぶ研究室等の学生・教員が中心となって始めたもので、現在、キャンパス周辺の4町内会で結成された古川池(徳定川)愛護会(会長:高橋晋也氏)を主体とする住民との協働で、主に古川池で実施されています。
その活動を発展させたロハス工学センタープロジェクト「古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(リーダー:土木工学科 手塚公裕准教授)」は、第1期「古川池を知る」を経て、第2期「理想の姿を考える」に入りました。より良い古川池の姿を求めるというミッション遂行のために、平成8年に提出された郡山浪漫回廊計画(案)の実現を目指して、古川池の治水対策や環境整備に関する研究活動を行っています。
この日の清掃には学生約80名、教員8名、卒業生と協力企業の方々約50名を含む総勢200名以上が参加。5つの研究室の学生が分担して各エリアのリーダーを務め、ごみの収集作業にあたりました。また、大学院の授業や課外講座の一環として参加した学生、以前この活動に参加経験のある卒業生たちも大活躍。東京や九州から参加する卒業生の姿もあり、活動の継続がもたらす地域や母校とのつながりを感じられたのではないでしょうか。
清掃活動を終え、古川池愛護会の皆さんと工学部有志から提供された豚汁を頂きながらさまざまな感想を聞くことができました。
「初めての参加でしたがとても楽しかったです」「協力して清掃することで仲間の団結力も高まりました」「いろいろな年代の方、OBの方々と交流できるいい機会でした」「豚汁も美味しいです」「自然保護に関係した仕事を希望しているので講座に参加しました」「卒業してもこういう活動は参加しやすいし、地域貢献できる貴重な時間です」 と、充実した時間を過ごせた様子が伝わってきました。
学生と企業の方がざっくばらんに語り合うアットホームな交流の場に
続いて第2部ともいえる懇親会がハットNE2階のカフェテリアで開かれました。この席には品川萬里郡山市長も訪れ、清掃活動への感謝と労いの言葉をかけてくださいました。品川市長は、「成果もプロセスも世界に誇れる素晴らしいプロジェクトです。これからの行政は皆さんの希望を叶えるための仲人役です。皆さんの力を活かして、住みやすい郡山市を創っていきましょう」とお話しいただきました。
懇親会には20社以上の企業の方々が参加され、1年生から4年生の皆さんがざっくばらんな雰囲気の中で直接お話を聞ける機会となりました。スタート直後は緊張している様子も見られましたが、徐々に今日の活動のことも含め、日ごろの業務内容やどんな学びが将来の道に繋がっていくのかなど、熱のこもった会話が各テーブルで繰り広げられていきました。
通常の企業訪問などとは異なり、企業の方同士の会話の中に学生が参加している様子も見られるなど、まさに距離の近い会社説明会となったのではないでしょうか。卒業生の先輩も多く参加し、日本大学工学部から社会に羽ばたいて大いに活躍する姿とともに、母校や後輩を慈しむ姿も見せてくれました。
ご参加いただいた日栄地質測量設計株式会社の畠良一氏(日本技術士会東北支部副本部長(福島県支部長))からもメッセージをいただきました。
「これから就職活動に臨む3年生を中心に多くの学生が集まってくれたのは大変喜ばしいことです。就職するにあたり大事なことは、学生本人が何をしたいのかということ。明確な指針を持って就職先を決めないと、思い描いていた社会人生活と現実のギャップに悩むことが多くなってしまいます。そんなミスマッチをなくすためにも、学生さんたちにはぜひいろいろな人と話をして、自分の進むべき道を見つけてほしいです。
ロハス工学を推進する工学部で学んだ学生さんたちは、柔軟な発想を持ち、実践的な工学を身につけていると感じます。そんな皆さんには、安全安心なインフラの長寿命化に貢献できる人材をめざしてほしいし、技術士会としてもそういう人材を育てていきたいと考えています。今後もこのような学生と企業が触れ合う機会が増えることを期待しています。」
最後になりますが、ご参加いただいた皆さま大変ありがとうございました。今後も取り組みの輪を広げていき、古川池の環境保全と地域貢献に努めてまいります。次回『秋の陣』へ、多くの学生の皆さんと地域の方々、卒業生のご参加をお待ちしています。