最新情報

「ロハス工学への期待 ~時代の転換期を楽しく生きるために~」後藤千恵氏による新入生歓迎講演会を開催しました

新入生歓迎行事

 4月2日(火)、開講式に続いて新入生歓迎行事が催されました。司会はオープンキャンパス実行委員会、電気電子工学科3年の宮本りの愛さんが務めました。

第1部 新入生歓迎講演会

 本年度は「ロハス工学への期待 ~時代の転換期を楽しく生きるために~」と題して、日本大学客員教授である後藤千恵氏より、これからロハス工学を学ぶ皆さんへ、未来に果たす役割についてご講演頂きました。
 後藤氏は30年にわたりNHK記者・解説委員として様々な社会課題を取材してこられました。2021年にNHKを早期退職、現在は熊本県天草市に移住して地域づくりに取り組みつつ、未来を楽しく切り拓く持続可能な暮らしを提案するジャーナリストとして活躍されています。
 2023年4月から日本大学客員教授に就任し、工学部においては「ロハス工学特論」を担当。また、大学院生との討論などを通じた教育指導を行い、高い教育効果を上げています。

 後藤氏はまず会場の皆さんに問いかけました。「22世紀のイメージは?明るい?暗い?」 半々くらいの割合で手を挙げた会場の様子に、しっかり意見をもって挙手があったことを喜ばれました。この2択に対してわからない、と手を挙げない人が結構多いそうです。「わからない」という意見は「変えられない」ということと同じ。だから変えられない、変えずにきた30年だと思う、と日本の現状を憂いました。
 「自分でこの国や社会を変えられると思いますか?」という問いを続け、世界の18歳の中で日本は変えられないと思う割合が高い調査結果から、大人たちの不安がここに表れているのではないか、と述べました。そして、変えられずなんとなくの閉そく感と格差が広がり、課題が山積みの社会において、これからロハス工学を学ぶ皆さんが楽しくこの時代の転換期を越えていくための前向きな提案をされました。

 私たちが直面している3つの課題①気候変動の危機②資本主義の限界③人口の急激な減少、それぞれに対して小さな一歩を踏み出せるヒントを提示された後藤さんは、これからの時代を登山になぞらえて山を降りていく時代だと言い、皆ががむしゃらにひとつの頂点を目指す登りではなく、自由で多様な道を拓きつつ、あたりを俯瞰しながら歩む道は競争ではなく共創である、と自然と共に「降りていく」ことの豊かさを伝えました。
 そして、降りていく時代のカギとなるのがロハス工学であり、健康で持続可能な生活と社会を実現し次世代に継承するための工学こそが、危機を乗り越えるために必要だと語りました。感銘を受けた書籍「ロハス工学」をバイブルであると紹介し、このロハス工学の実践に必要なこととして「人の力を引き出す」「自然の力を引き出す」という言葉を提示しました。

 昨年夏には大学院生3名がインターンとして天草を訪れ、ロハス工学の可能性を見せてくれたことを紹介。彼らは「人の力を引き出す」「自然の力を引き出す」ことを実践し、持続可能でだれもが幸せを感じられるまちづくり、それこそがこれからの技術者に求められるものだと実感させてくれたそうです。
 これからは毎年インターン生を受け入れるとのこと。皆さんもぜひ参加してみませんか。ロハス工学という学びを実践し、新しい豊かさを体験するチャンスがある、と呼びかけました。

 結びに際し「社会を変革するときに必要な人間はその地域の3.5%。皆さんがその3.5%になれば、ロハス工学で社会を変えていける、そして22世紀が明るいものになるでしょう。皆さんに期待だらけです!」と優しくかつ強いエールをいただきました。
 新入生の皆さん、ここからの新しい学びが社会を変える第一歩になるかもしれない、そう思うと胸の高鳴りを感じたのではないでしょうか。終了後の新入生インタビューでも天草のインターンに興味津々、ぜひ参加したいという声が聞かれました。

講演会の動画はこちらから

第2部 在学生によるサークル紹介

 講演の後は恒例のサークル団体による新入生歓迎パフォーマンスが披露されました。司会を担当したのは、今年度より結成されたサークル勧誘実行委員会の二人。75団体の中から6団体のステージ発表を行いました。

 この開講式の様子は70号館1階の各講義室でもライブ配信されました。新入生歓迎行事の終了後は配布された食券(日本大学工学部校友会 学生支援)をご利用いただき、学食や引き換えたお弁当での昼食休憩となりました。