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ワンダーフォーゲル部創部60周年記念式典が行われました

記念碑が物語るワンダーフォーゲル部の60年の歴史

 令和4年10月29日(土)、ワンダーフォーゲル部創部60周年記念式典が工学部キャンパスにて行われました。この日は、北桜祭開催初日ということもあり、記念碑の除幕式が行われる中庭には、大勢の卒業生で賑わっていました。
 まず、60周年記念実行委員会相談役の佐々木洋志氏(3代OB)がご挨拶し、ワンダーフォーゲル部の60年の歴史を振り返りました。佐々木氏は冒頭で高村光太郎の『智恵子抄』の詩の一節と民謡『会津磐梯山』を謡い、ワンダーフォーゲル部に馴染み深い安達太良山や会津磐梯山に思いを馳せました。同部の初めての活動は1962 (昭和37) 年5月13日。登頂を出迎えたしゃくなげの赤い蕾のように初々しい若者18名が、安達太良山の山頂に踏み跡を刻んでから60年。その間に、同好会から部に昇格し、機関紙『ふみあと』を発刊、同部のロゴマークやえんじ色のユニフォームをつくり、節目の年には様々な記念事業を行ってきました。図書館前の記念碑ロダンの『考える人』の像は、ワンダーフォーゲル部創部30周年記念式典で設置されたものです。60周年となる今回は、55周年の際に磐梯山への設置を計画していた記念碑を、5年の時を越えて工学部キャンパスの古田重二良先生の銅像がある中庭に設置する運びとなりました。石碑は、石材店を営む小澤克至氏(2代OB)が製作・施工しました。建立者の小澤氏から、石碑の小松石についてもご紹介いただきました。神奈川県の真鶴(まなづる)から産出される小松石は、鎌倉時代の源頼朝から始まり、徳川家代々の墓石などにも使われている歴史ある日本の銘石だと説明され、小澤氏はワンゲル精神になぞらえて、一歩一歩の歩みが60周年に繋がっているのだと強調されました。

 続いて、記念碑の除幕式が行われました。現在、ワンダーフォーゲル部の顧問を務める日比野巧先生、現副部長の金子大樹さん、同部OB会会長の道又正秀氏(初代部長)、校友会副会長の髙橋晃一氏、60周年記念実行委員会共同代表の佐々木原幸一氏(11代OB)、そして佐々木氏、小澤氏を加えた7名によって除幕布が引き落とされると、ワンダーフォーゲル部のロゴが刻まれた石碑がその姿を現し、集まった関係者から大きな拍手が沸き起こりました。

 お披露目された石碑を前に、顧問の日比野先生(写真下左)が根本修克学部長の祝辞を代読しました。根本学部長は創部60周年を迎えたワンダーフォーゲル部およびワンゲル精神をもって社会で活躍されているOBの方々に敬意を表されました。続いて、実行委員会共同代表の佐々木原氏(写真下右)が、参加いただいたOBの方々や現役部員そして記念碑の製作に尽力された小澤氏に感謝の言葉を述べられました。

 記念碑除幕式終了後には、石碑を囲んで参加者全員で記念撮影を行いました。大先輩と肩を並べて誇らしげな現副部長の金子さん(写真左)は、「このような節目の年に副部長を務めさせていただき、大変光栄に思います。友人に誘われて入部してから山登りを始めましたが、ワンゲルには仲間と同じ目標に向かって進む面白さがあり、達成感を共有できることも魅力です」と改めてワンゲルへの思いをかみしめていました。顧問の日比野先生も「一つのサークル団体で、60年も固い絆で結ばれている組織力は素晴らしいと思います」と感銘を受けており、これからも同部の発展に寄与していきたいと話していました。えんじのユニフォームに身を包んで式典に臨まれた佐々木氏は、「記念碑は60年の歴史の積み重ねであり、活動の証ですから、何事にも代え難い嬉しさを感じています。こうして古田重二良先生の銅像と同じ場所に設置いただき感慨無量です。後輩の皆さんには、素晴らしい伝統を継続していただきたい。ワンダーフォーゲル部の益々の発展を祈っています」と熱いエールを送ってくださいました。

 ワンダーフォーゲル部の歴史の重みを感じさせる記念碑。そこにはワンゲル魂が宿ったかのように、ロゴマークが燦然と輝いて見えました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げますとともに、ワンダーフォーゲル部の更なる発展を心より祈念いたします。