最新情報

3年ぶりに学外で卒業設計作品展を開催しました

ハイレベルな13作品の中から、JIA福島地域会賞が選ばれる

 2月9日(木)から11日(土)まで、郡山駅前ビッグアイ6階市民ふれあいプラザにて「令和4年度日本大学工学部建築学科卒業設計作品展」が開催されました。
学内の審査会で選抜された13作品が展示され、4年間の学修の成果を一般の方々にもご覧いただきました。2020年2月の開催後は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために学内展示のみとなっており、3年ぶりとなる学外展示に期待が寄せられていました。初日には、合同で展示会を開催する日本建築家協会福島地域会(以下、JIA)の建築家11名による講評会が行われ、学生のプレゼンテーションを受けて審査し、JIA福島地域会賞を選出しました。

 緊張感漂う中、学生たちは作品に込めた思いを伝えながら懸命にプレゼンテーションを行い、第一線で活躍する建築家の面々からの鋭い質問に応えました。前日までの学内展示の際に行ったプレゼンテーションからさらにブラッシュアップして臨んだ学生たち。公開審査の場では、審査員の率直な、そして期待を込めた示唆に富む意見に耳を傾けました。熱のこもった講評の末、鈴木七緒さんの作品『人の森:シェアステーション -シェアリングエコノミーから考える新しい公の空間-』がJIA福島地域会賞を受賞しました。





『人の森:シェアステーション -シェアリングエコノミーから考える新しい公の空間-』

鈴木七緒さん(建築計画研究室/指導教員:浦部智義教授)

この作品は情報やお金だけではなくモノやスキルの共有も行われるようになってきた現代、シェアリングエコノミーサービスの発展で生み出される「多様なシェア」社会に即した新しい公共施設を提案するものです。鈴木さんは「学生生活の最後に自分のやりたいことをしっかりやり切ったので、それが評価されたのは素直に嬉しいです。」と喜びを語りました。卒業後は設計エンジニアとして図面を描くエキスパートを目指すそうです。元々手を動かすことが好きなので、就職後も個人的にデザインの勉強やモノづくりを続けていきたいと語る様子には、将来の充実したキャリアプランが垣間見えました。



JIA福島地域会長の齋藤史博氏(写真右)は、「全体として非常にレベルの高い展示会。ただ設計がきれいなだけでなく、課題を読み取ってデザインとして建築に落とし込み、しっかりと形になっている」と総評しました。「中でも地域会賞の作品は街づくりに対する自分の意思や発想をタブレットのデジタルスケッチから形作ったという点が面白く、実際のデッサン力も評価された。こういった公開の機会は非常に重要な場所であり、回を重ねる中でどんどんレベルアップしてきている。後輩たちがこれを見て、更なる学びへ活かされていくことでしょう」と積み重ねてきた講評会の成果に手ごたえを感じていました。

 4年間建築学科で学んだ知識と経験を胸に、次のステップへ進む皆さん。この先のさらなる活躍を楽しみにしています。

JIA審査会参加学生及び審査員の皆様