4半世紀を超えて続く清掃活動が『ロハスの池プロジェクト』の新しい歴史を作る

11月8日(土)、工学部土木工学科の恒例行事「徳定川・古川池清掃活動/秋の陣」が行われました。土木工学科の水環境について学ぶ研究室等の学生・教員が中心となる清掃活動は、スタートから四半世紀を超えて年2回春と秋に継続され、地域に根差した恒例イベントとなりました。現在ではキャンパス周辺の4町内会で結成された古川池(徳定川)愛護会(会長:高橋晋也氏)を中心とする地域住民の皆さんとの協働によって、古川池を中心に実施しています。
その歴史ある地域活動の推進力となっているのが、2021年に立ち上がったロハス工学センタープロジェクト「古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(リーダー:土木工学科 手塚公裕准教授)」です。より良い古川池の姿を求めるというミッション遂行のために、平成8年に提出された郡山浪漫回廊計画(案)の実現を目指して、古川池の治水対策や環境整備に関する研究活動を行っています。第1期「古川池を知る」、第2期「理想の姿を考える」を経て、本年度からは第3期「効果を検証する」に入りました。現在では近隣の高校の生徒も参加するなど、産官学民が協働で行う大きな取り組みに発展しています。
この日は学生約140名、教員6名、日大東北高校理科部の生徒5名と教員1名、卒業生と協力企業の方々約180名、そして古川池愛護会の方々を含む総勢400名以上が参加。「ロハスの水環境サークル」として活動するメンバーの姿もありました。この清掃活動が開始された当初から参加され、10年ほど前に退職された元土木工学科教授の藤田豊先生も駆けつけ、学生に負けない意気込みを見せてくださいました。
学外エリアを5つ、学内エリアを2つに分け、学生と卒業生、企業や町内会の方々がグループに分かれて担当。土木工学科の環境生態工学研究室と水環境システム研究室の学生が分担して各エリアのリーダーを務め、キャンパス内にも流れる徳定川でも清掃とごみの収集作業にあたりました。






清掃終了後は心も体も温まる豚汁会へ。古川池愛護会から提供いただいた豚汁をほおばりながら、今日の健闘をたたえ合っていました。
工学部独自の就職サポート、企業と学生の交流を深める懇親会

ハットNE学生食堂に移動して行われた懇親会は卒業生の在籍する企業も含め、50社以上の企業の方々にお集まりいただきました。元郡山市副市長で土木工学科卒業生でもある村上一郎氏も参加され、清掃活動とプロジェクトの未来へエールを送っていただきました。

建設会社をはじめ、地質調査、水道事業、鉄鋼プラント、建設コンサルタント会社など、多岐にわたる業務内容の企業の皆さんが出席。一般的なOB訪問や企業セミナーとも違い、清掃活動で共に汗を流した方々や同じ研究室、同じキャンパスで学んできた先輩方も多数参加されていることもあり、軽食を取りながら語り合うリラックスした雰囲気のなか、たいへん和やかに会話が弾んでいました。幅広い年代の先輩たちから聞く仕事に対する熱い想いは、今後のキャリアを考える良い機会となったようです。




最後に、スタンプラリーの参加賞として学生の生活支援と防災対策を兼ねた食料品などの支援アイテムのプレゼントもあり、学生たちには実り多い一日になりました。


参加した3年次生は、「今まで知らなかった会社の話を聞いて何社か興味を持った」「普段は聞きづらいお金や福利厚生などの情報も得られた」「自分自身も恥ずかしがらずに本音で話ができた」と話し、手応えを感じているようでした。清掃から参加したという1年次生は、「ラグビー部として参加し地域に貢献できてよかった」「懇親会でいろいろな分野の企業の話を聞けて勉強になった」と話していました。
また、企業の方からも好評で、業界や仕事について知ってもらえる良い機会になっているようです。「会社の長所も短所もわかって、学生さんはより選びやすくなっているし、企業としてもミスマッチをなくすことができる」「工学部の学生さんは純粋でガッツもある。そこが魅力に感じるところ」との声が聞かれ、企業にとっても有意義な人材発掘の場になっています。ゼネコンで活躍する卒業生は、「実践的に学べるのが工学部の良さであり、それが社会に出てからも大いに役立っている」と言い、学生たちのモチベーションを高めてくれていました。

最後となりましたが、ご参加いただいた皆さまには改めて御礼申し上げます。古川池の持続可能な防災親水公園化を目指し、今後もさまざまな取り組みを広げ、プロジェクトを進めて参ります。ぜひ多くの学生の皆さん、地域の方々、卒業生の皆さんの参加をお待ちしています。次回、令和8年『春の陣』でお会いしましょう。
