土木技術者として活躍する先輩からキャリアと就活について直接聞ける、学科ならではの取り組み
令和6年12月20日(金)7014教室において、土木工学科が主催する「OG就職体験発表」が行われました。これは、自分の進路について考える上で社会における土木工学の位置付けなどを理解することを目的としたゼミナールの一環で、これまでは就職が内定した学生から就職活動について聞く会を開いてきましたが、今回はもう一歩進んで、社会に出た先輩たちが実際に働いてみて感じたこと、現在の仕事内容、就活の様子などを発表していただきました。偶然にも3年前に学部を卒業した女子学生が全員違う業種に進んだということもあり、OGによる就職体験発表が実現したのです。社会人1~3年目の身近な先輩たちの本音が聞ける機会ということで、男女問わず会場に集まった大勢の学生たちは熱心に耳を傾けていました。
発表してくださったOGの皆さん
【公務員】斎藤有沙さん


福島県会津若松建設事務所に勤務する斎藤さんは、広い福島県における公務員土木技術職の仕事内容について説明。県の計画や地元の要望からスタートする公共事業の流れと、さまざまな段階で業務に関わることのできる県職員とコンサルやゼネコンとの役割の違いを述べ、異動の多い「県」の職員だからこそ感じられる風通しの良さも紹介しました。
【施工管理(ゼネコン)】佐藤彩映さん


佐藤さんは株式会社淺沼組勤務というゼネコンの立場から建設業が担う役割、業界の構成を説明しました。実際の施工管理業務の内容や一日のスケジュール、また最初から最後まで一つの工事に携われる、あらゆる工程を経験できるといった中堅ゼネコンならではの魅力を紹介。3Kの印象も薄く、ユーモアのある雰囲気に働く前とのギャップも感じたそうです。
【施工管理(道路舗装)】桐山愛理さん


大学院修了後、東亜道路工業株式会社に就職した桐山さんは今年度就職して社会人1年目。入社後の研修内容や、具体的に自身が関わったした現場の様子、一人で担当する中で工程管理に苦労したことなどを紹介し、失敗談や指導された内容にも言及しました。現在も土木施工管理技士の資格取得に向けて勉強を続けていると報告しました。
【コンサルタント(上下水道関係)】安本果七子さん


オリジナル設計株式会社に務める安本さんは、コンサルとして水環境を守るインフラに関わる業務を説明しました。国や自治体が持つ課題に専門的な知識と経験、技術を活かせるということ、施工よりも前の計画段階から関わりたいということから会社を選んだそうです。想像より打ち合わせや現場調査に出る機会が多く、ワークライフバランスもとれる環境だと語りました。
【コンサルタント(セメント関係)】小菅愛弓さん


小菅さんは知識や経験を増やしたいと考えて大学院へ進学。現在は株式会社中研コンサルタントに勤務しています。研究室での経験を活かしたい、施工管理や設計よりも分析や試験をしたい、充実した福利厚生という軸に沿って会社を選んだそうです。現場調査からコンクリートの室内試験、補修の設計や維持管理の計画までワンストップで行う会社ででさまざまな経験が積めると語りました。
先輩方は口をそろえて、自由な時間の多い学生のうちにたくさんチャレンジすること、やりたいことを先送りにしないこと、併せてしっかりとした知識と技術を身につけることを勧めました。学生時代の経験こそ、社会人となった今を形づくる貴重な財産だということなのでしょう。形は違えど世の中に貢献するモノづくりに魅力を感じ、生きる道として選択してきた先輩たちの言葉には大きな説得力がありました。
この日語ってくれた先輩たちの経験談が、これから本格的に就職活動を進める皆さんの刺激となり、納得の進路選択ができることを心よりお祈りしています。