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土木工学科の学生が鉄道の維持管理業務を体験しました

只見線の維持管理業務を通して
学生が地域社会に貢献する

 9月13日(金)、土木工学科地震防災研究室の学生5名が、只見線の駅名標鋼製枠塗り替え作業を体験しました。只見線は福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ全長約135kmの路線です。福島・新潟両県の地域資源の活用や豪雪地帯を結ぶライフラインとして、只見川に架かる橋梁などの機能美や四季折々の風景を創生する貴重な鉄道施設群であることから、2021年に選奨土木遺産にも認定されました。

 平成23年7月新潟・福島豪雨で被災した只見線は、約11年後の2022年10月1日に全線で運転を再開。このうち会津川口駅-只見駅間の施設・土地については福島県が保有し、福島県の只見線管理事務所が施設の維持管理や利活用の促進に取り組んでいます。それを契機に福島県と会津地方の全市町村など地域が一丸となって、只見線の利活用を図っていくため、2023年4月に「第2期只見線利活用計画」を策定し、様々なプロジェクトを展開しています。その一環として、只見線管理事務所と土木工学科子田康弘教授が連携し、新しい駅名標の設置作業を通して、鉄道関連に興味を持つ学生が鉄道の維持管理について学ぶとともに、地域の活性化につながる鉄道の保守管理業務研修を企画しました。

 この日は、学生たちとともに指導教員である石橋寛樹専任講師と鉄道会社での勤務経験のある阿部慶太准教授も同行。金山町にある道の駅こぶし館で只見線管理事務所の羽生宏史所長や職員の方々と合流し、昼食を取った後、作業現場となる会津大塩駅と会津横田駅へと向かいました。現場では工事関連を請け負う仙建工業株式会社の技術者の方から作業概要について説明を聞き、駅名標枠の塗り替え作業の指導を受けました。学生たちは少し緊張しつつも、鉄道の仕事に関われる喜びを体感しているようでした。

 その後、会津大塩炭酸水場の駐車場にて、只見線の歴史や只見線管理事務所の業務内容についてお話を伺いました。説明してくださった大久保聡さんは情報工学科の卒業生。鉄道関連機器のメーカーで只見線の信号や通信設備の維持管理に携わったことがきっかけとなり、奥会津に魅了されて移住を決意されたそうです。現在は県職員として、只見線の電気関連の保守点検等に従事しています。最後に羽生所長は、「今回の保守作業に関わったことを誇りに思っていただき、新たな駅名標が完成しましたら、ぜひ只見線に乗って見に来てください」と学生たちの活躍を称えていました。

 参加した学生たちは「実際に保守管理の現場の方々とコミュニケーションできたのは貴重な経験になりました」、「将来、鉄道関連の仕事に就くので大変勉強になりました」、「ゼネコンの現場で働く時のイメージができ、形として残る仕事の一端に触れることができたのは良かったです」、「ローカルならではの人のつながりがあり、やりがいを感じることができました」、「なかなかできない経験。将来、ぜひ駅名標を見に戻ってきたいですね」と話しており、自分たちの仕事が地域活性化の役に立った充実感を味わっていました。

 今後も土木工学科では只見線利活用プロジェクトへの参加を通じて、地域貢献に寄与してまいります。

 

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