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建築学科住環境計画研究室の学生が計画・設計に参加した白河市のお試し住宅「まちなかベース」が完成しました!

学生目線のアイデアと白河市の歴史と文化が詰まった
魅力的な住まいに注目が集まる

 建築学科の住環境計画研究室(市岡綾子専任講師)が産学官協働で取り組む、白河市の移住お試し住宅「まちなかベース」が完成し、3月22日にオープニングセレモニーが行われました。
若者の間で「地方移住」「二地域居住」の関心が高まっていますが、関東に近い「みちのくの玄関口」である白河市でも移住者に着目した取り組みを進めており、「まちなかベース」は移住検討者が本格的な移住を前に白河市での暮らしを体験することができる施設として計画されたものです。JR白河駅から徒歩5分の中心市街地に位置する「まちなかベース」。移住=田園、農漁村地域、という固定概念を取り払い、地方の良さと暮らしやすい利便性を両立させる「カフェでの暮らし」をイメージしてつくられました。木目調の壁や吹き抜けのある空間、日本の伝統的な文化を感じられる空間や斬新な外壁塗装などに加え、テレワークに適したスペースも整備しています。

 昨年7月に、4名の学生が各々の計画案を鈴木和夫白河市長にプレゼンテーションしました。その中で高い評価を受けた吹き抜けのアイデアを取り入れ、さらに4人の案をまとめた「和モダンのカフェに住む」をコンセプトに、計画・設計が進められていきました。学生たちは市役所の職員やNPO法人しらかわ建築サポートセンターの方々と連携し、試行錯誤しながらもアイデアを形にする面白さを体験しました。

 実際の実施図面を書くことは学生では難しいため、設計の専門家にご指導いただきましたが、卒業後、住宅産業に就職する学生たちにとっては、大変勉強になったようです。また、クライアントの要望と自分たちが考えた案をどう融合させていくか、交渉や実務の進め方などの業務遂行能力を養う貴重な経験にもなりました。施工期は卒業設計の追い込み時期と重なったため、学生たちは仕上げのみの参加ではありましたが、実際の建築現場で建築物をつくる楽しさも味わうことができました。

 また、コンセプトである「和モダン」をイメージした家具を選んで購入し、白河市にある大堀相馬焼窯元にご協力いただいて制作した手洗い鉢やまちなかの老舗染め物屋とコラボレーションして制作した暖簾など、学生目線のアイデアがふんだんに盛り込まれています。多くの方々のご協力やサポートを得ながら完成した住まいは、モダンなカフェと白河市の歴史や文化を体感できる空間デザインになっており、まちなかベースを利用した方から「ここに住みたい!」という声も聞かれるほど評判のようです。サポートいただいた市役所の方にも、「私たちには発想できない魅力あふれる空間になった。学生さんのアイデアで企画・設計して良かった」と大変喜んでいただいています。

 設計などに携わり、学生のまとめ役として奮闘した佐川了さん(当時建築学科4年:写真左)は、「ここでのお試し居住をきっかけに、白河市へ永住する人が増えてほしい」と話していました。市岡専任講師は、「学生が考えた案を尊重いただいて、全面的にサポートしてくださった白河市役所やNPO法人の方々には深く感謝しております。関わっていただいたメンバーに恵まれたことが、このプロジェクトの成功につながった大きな要因になっていると思います」と感謝の意を伝えています。

 建築学科の歴代の先生方が紡いできた思いを引き継いで、白河市の活性化や発展に寄与されてきた市岡専任講師(写真右から2番目)は、白河市複合施設基本設計検討委員会の委員長も務めました。「白河市の魅力発信やまちづくり活動など、何かしら工学部が関わることで白河市のお役に立てるようにと日々できることを続けてきました。みちのくの玄関口としての凛とした白河らしい輝きを失わず、地域の資源を活かしたまちの賑わいを創出できるように、客観的な視点で見出した魅力について責任を持って伝えていきたいと思っています。これからも白河市を愛し守りたいと思う市民のみなさまに寄り添い、ご縁を大切にしながら、市民のみなさまが笑顔になるまちづくりに貢献していきたいと思っています」と更なる意気込みを語っています。

白河市お試し住宅のご案内はこちら(白河市ホームページにリンク) <!–

 JR白河駅から徒歩5分の中心市街地に位置する「まちなかベース」。移住=田園、農漁村地域、という固定概念を取り払い、地方の良さと暮らしやすい利便性を両立させる「カフェでの暮らし」をイメージしたものです。木目調の壁や吹き抜けのある空間、日本の伝統的な文化を感じられる外壁の塗りなどに加え、テレワークに適したスペースも整備しています。

 3月22日のオープニングセレモニーでは関係者が集い、施設の完成を祝いました。設計を担当した佐川了さん(当時建築学科4年)は「ここでのお試し移住をきっかけに、白河市へ永住する人が増えてほしい」と話しました。

 これまでも、市岡専任講師は白河市と連携して景観まちづくりに関する研究を進めてきました。今後はこの施設の利用状況や利用者の意見などもリサーチし、さらに地域の資源を活かしたまちづくりに貢献していきます。

-> 白河市お試し住宅のご案内はこちら(白河市ホームページにリンク)