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学生ものつくり団体『LohasProLAB』がメディカルクリエーションふくしま2022『第3回創生アイデアコンテスト』で特別賞を受賞しました

日大東北高校とのコラボチームで医療に役立つアイデアを提案

左から加藤駿永さん(生命応用化学科2年)、園田駿希さん(建築学専攻2年)、佐藤光さん(電気電子工学専攻1年)、工藤礼暖さん(日大東北高校2年)、伊藤琢真さん(日大東北高校3年)、遠藤龍世さん(機械工学科4年)、西宮大晴さん(電気電子工学専攻1年)

 10月27日(木)、ビッグパレットふくしまでメディカルクリエーションふくしま2022『第3回創生アイデアコンテスト』(主催:ふくしま医療機器開発支援センター⁾が行われ、『LohasProLAB(ロハスプロラボ)』が特別賞を受賞しました。本コンテストは、次代を担う若者が、医療や介護、病気の予防、それらを支える医療機器の開発など、私たちの健康的な生活に関わる分野に興味・関心を抱き、知恵を出し合うことによって、安心して生活できる社会の実現に寄与するチャンスを提供することを目的としています。

『LohasProLAB』は、学生が主体となって学科横断的にものづくりや研究活動を進めている団体です。ロハス工学センタープロジェクトのひとつである『ロハスの家群跡地再生プロジェクト』の学生メンバーを中心に、現在10名で運営しています。昨年、活動の第一歩として本コンテストに参加し、見事最優秀賞に輝きました。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今年は、日本大学東北高等学校とコラボし、『日大東北高校×日本大学工学部LohasProLABコラボチーム!』で参戦。同高校2年の工藤礼暖さんの相撲大会での体験をもとに考案した『アスリートの為の応急処置ガイドアプリ』を提案しました。オンラインで開催された昨年を大きく上回る81件の応募があり、一次審査、二次審査の難関を通過し最終選考の8チームに選ばれ、当日のプレゼンテーションに挑みました。

 まず初めに、このアプリの開発に至った経緯について工藤さんが説明しました。工藤さんは相撲大会の試合中に頭から土俵に落ち、頭痛やめまいを感じながらも次の試合を続行し、その後、救急搬送されることになった経験があります。その場に偶然看護師の方がいたため、救急搬送までの間に適切な処置を受けることができ、大事には至らなかったそうです。工藤さんは、「このような経験から運動中の怪我を診断し、適切な処置をしていける製品が必要だと考えました」と話しました。



 続いて、機械工学科4年の遠藤龍世さんがアプリについて説明しました。工藤さんの体験をもとにどのような機能が必要かということを考え、怪我を診断する機能、応急処置方法を提示する機能、近くの病院の情報と経路を取得する機能を備えたアプリケーション開発を考案しました。実際に怪我が発生した際にスマートフォンのアプリを起動し、怪我の診断を行います。野球、サッカー、バスケットボールなど競技種目を選択すると、競技による怪我の特徴により症状の絞り込みができます。プレゼンでは、相撲を選択して怪我の状態を絞り込みながら、アプリの使い方を説明しました。怪我の状態に最も近い画像を選択することで、診断結果から応急処置の方法が提示される仕組みになっています。この後に緊急通報が必要な場合は通話アプリの起動、付近の診療所の検索が必要な場合は地図アプリの起動を行い、医療機関での治療につなげていきます。



 遠藤さんは、適切に怪我の診断をするためには専門家の監修が必要であることなど、このアプリの課題についても触れました。またアピールポイントとして、怪我をした際に必要な情報を分かりやすく伝えることで素早く対応できること、治療後にアプリの診断結果が正しかったかのフィードバックを集めることで診断の正確性を高められることなどを挙げました。そして、血液型や治療などの事前登録情報、また本アプリでの診断結果を救急救命士や病院に提示することでスムーズな診断に役立てることができると強調しました。

 発表後に審査員の方から質疑応答があり、アプリをより有効に使うための対策について問われた遠藤さんは「直感的に操作できるシンプルなユーザーインターフェースの開発を目指していきたい」と答えました。審査員の方からも「ぜひ、アクセシブルデザインを検討してほしい」と激励の言葉をいただきました。発表を終えステージを降りた4人は緊張感から解放され、「やり切った!」という表情を浮かべていました。


 その後、ポスターセッションがあり、提案に興味を持ってくださった方々と意見を交わす機会もありました。また、コンテスト参加者を対象としたメディカルクリエーション商談会ブースツアーでは、最先端の医療機器の見学やユニークな技術を体験し、大変有意義な時間を過ごすことができました。



 審査の結果、『日大東北高校×日本大学工学部LohasProLABコラボチーム!』は特別賞を受賞。2年連続の最優秀賞とはなりませんでしたが、同じチームで2年連続の入賞は立派な成績です。会長の園田さんは、「昨年の覇者ということで気合を入れて臨みました。結果的に最優秀賞には届かなかったものの、81チームの中で8位入賞できたことは自信につながります。何より、今回は高校生とタッグを組んで活動できたことが大きな収穫でした。工藤さんを通じて、他の高校生にも『LohasProLAB』の活動を知ってもらうきっかけとなり繋がりもできました。これまでのプロセスを含め、大変良かったと思います。コンテストに限らず、ものづくりやパブリケーションを推し進めていくことが目的なので、今後さらに活動の場を広げていきたいです」と意欲を見せていました。
 今回、参加してくれた高校生の工藤さんは、「最初は馴染めるか不安でしたが、皆さん優しくてすぐに打ち解けました。いろいろな先輩たちと話ができたし、大学のことなど教えてもらえたので、参加して良かったです!」と楽しそうに話し、工学部への興味も沸いてきているようです。益々、面白くなってきた『LohasProLAB』。次はどんなことに挑戦していくのか、大いに期待しましょう!