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土木工学科の卒業生が令和3年度海外インフラプロジェクト優秀技術者大臣奨励賞を受賞しました

開発途上国でのインフラ整備事業を
完遂した技術力とマネジメント力が高く評価される

 この度、平成22年度に土木工学科を卒業した服部裕史さん(大日本土木株式会社勤務)が、『令和3年度海外インフラプロジェクト優秀技術者大臣奨励賞』を受賞しました。この賞は、海外インフラプロジェクトにおいて活躍する日本企業の技術者に対して、その実績を認定し、その中で、技術力、マネジメント能力に秀でた技術者に対して表彰を行うものです。2回目となる今回は、695名、901件の実績を認定するとともに、15名に国土交通大臣賞を、また9名に今後のさらなる活躍を期待して国土交通大臣奨励賞が授与されました。服部さんは、タジキスタン共和国ハトロン州ピアンジ県給水改善計画の海外プロジェクトに従事し、卓越した技術と旺盛なる責任感をもってプロジェクトを見事に完遂。相手国の社会経済の発展に大きく寄与したことが高く評価されました。

 この度の表彰を心よりお祝い申し上げますとともに、今後益々ご活躍されますことを祈念して、服部さんの喜びの声をお届けいたします。

大学時代に培った仕事に対する責任感と忍耐力
人々の暮らしに役立つ構造物をつくることに誇りを持って

服部 裕史さん(大日本土木株式会社)

 海外インフラプロジェクト技術者表彰において、国土交通大臣奨励賞という名誉ある賞を若くして賜りましたことは大変光栄であり誇りに思います。日頃から御指導、御協力頂きました関係者の皆様には深く感謝申し上げます。

タジキスタン共和国ハトロン州ピアンジ県 高架水槽 1800㎥

 本プロジェクトは、中央アジアにあるタジキスタン共和国の南西部に位置するピアンジの町と隣接する6村、約29,000人を対象とした水道施設整備計画で、貯水するための2基のRC高架水槽(1,800㎥/250㎥)と井戸施設の築造、約200㎞に及ぶ家屋4,767箇所への配水管接続と水道メーター取り付けを行いました。1年8か月の間、当社の作業所長と数名の日本の技術者とともに、ほとんど未経験者の現地作業員のべ300人に技術指導を行いながら、現場主任として施工管理・品質管理の仕事に従事しました。今回のような開発途上国でのインフラ整備では、現地での雇用を生み出し、日本流の「品質・安全管理」を作業従事者に教えることも重要な役目になります。言葉や文化の違いも含めて、日本国内での業務にはない苦労も多々ありますが、全くゼロの状態から現地の人々と一緒に日々積み上げていき、最終的には各家庭の水道管から水が流れるところまで完遂できた時には、この上ない達成感を感じました。現地の方々にも大変喜んで頂き、タジキスタンの発展に貢献できたことは自分自身にとっても大きな喜びです。

 大学時代は、コンクリート工学研究室(指導教員:岩城一郎教授、子田康弘教授)に所属し、道路橋RC床版の研究に取り組みました。輪荷重走行試験機を使った床版の疲労度試験では朝から晩まで実験を行っていたので大変でしたが、仕事に対する責任感と忍耐力はその時に培われたように思います。地元に貢献したいと考えて、本社が岐阜にある大日本土木株式会社に就職。地元や国内にとどまらず、海外での仕事も数多く手掛ける会社で、これまでにも何度か海外事業を経験してきました。現在は国内のトンネル工事に従事していますが、道路工事から下水処理場まで幅広い土木等の建設工事を行っています。地図に残る仕事をしたいという思いから土木の道に進んだので、将来、家族にも誇れるような大きな構造物をつくることを目標に、今後もいろいろなことに挑戦していきたいと思っています。

 建設業は大変な面もありますが、やりがいのある仕事です。何もないところから構造物が完成した時には、大きな感動を味わうことができます。分野によって使う技術は違ってきますが、大学で学修したことが社会に出ていつどこで役に立つかわかりません。土木を志す後輩の皆さんには、しっかりと専門知識を身につけながら、学生時代にしかできないことにチャレンジしてほしいと思います。

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