作品や設計の仕事を通して、地域に貢献していきたい
・この春、建築学科を卒業した大槻彩夏さんの卒業設計作品『伝統工芸品と共に千年続くまちー暗渠の川端ー』が、9月22日(水)から郡山市安積町にある秋田銀行郡山南支店のロビーにて展示されています。地域共栄を目指す同行では、日頃から市民サークルの作品などを展示するロビー展を開催し、日本大学工学部建築学科の学生の作品も2017年3月から展示していただいております。建築学科では、毎年、卒業設計作品の学外展示を行っていますが、昨年度はコロナ禍の影響で中止となったため、一般の方に学生の作品を見ていく機会がありませんでした。また、大槻さんの作品が出展される予定だった『第44回学生設計優秀作品展ー建築・都市・環境ー』(主催:レモン画翠)も延期され、結局オンラインでの公開となりました。そこで、大槻さんからの申し出を受け、出展の準備を進めていた本作品を秋田銀行で展示することになったのです。
・大槻さんは宮城県出身。この作品は地元白石市の伝統工芸品である白石和紙に着目して設計計画されたものです。伝統工芸品から地域性を読み解くとともに、今は暗渠となっている水路を再生し、白石和紙の魅力や可能性を広げていくことで、その存在を後世に残し、街全体の賑わいを取り戻すことを提案しました。建築物そのものに白石和紙を多く使用したことで、全体的に柔らかなイメージに包まれており、故郷への思いが溢れた作品になっています。
・現在、大槻さんは郡山市内にあるエーユーエム構造設計株式会社に勤務しています。建築学科の非常勤講師である濱尾博文先生の会社であり、インターンシップでお世話になったことがご縁で就職が決まったそうです。設計部に配属され、職場の先輩方にご指導いただきながら、室内リフォームの図面を書くなど設計の仕事に従事しています。在学中に二級建築士試験に合格し、免許を取得している大槻さん。法令集の引き方など、受験勉強の過程で得た知識が実務で大いに役立っていると言います。さらに上を目指して、働きながら一級建築士の勉強にも励んでいます。展示された模型を見て、「自分の作品を地域の方々に見ていただくことで、日本大学工学部を知ってもらえる機会になればいいですね。私も仕事で地域に貢献できればと思います」と話しています。
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