産学官民が連携して古川池の持続可能な親水公園化を目指す
・11月10日(水)、工学部8号館土木ゼミナール室にて、『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)中間報告会』が行われました。本年度発足されたロハスの池プロジェクトでは、古川池の独自の特徴を活かしつつ、治水・利水・環境保全といった多面的機能を最大限に引き出し、その機能を円滑に持続させる方法について、地域住民(古川池愛護会等)や行政(郡山市)とともに検討しています。現在、プロジェクトリーダーの手塚公裕准教授を中心に、土木工学科教員8名と古川池愛護会のメンバー3名等を含めた産学官民連携で活動を推進しています。中間報告会には、地域住民の方々や郡山市役所から品川萬里市長および職員3名も参加。水環境システム研究室(指導教員:手塚公裕准教授)と環境生態工学研究室(指導教員:中野和典教授)で行っている調査研究の状況やプロジェクトメンバーが各専門分野の研究について説明を行いました。
住民の方々を前に学生たちが自ら研究成果を報告
・はじめに手塚准教授がご挨拶を兼ねて、プロジェクトの概要について紹介しました。次に、卒業研究生が進めている調査研究の状況について報告を行いました。
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・学生は研究の目的や実験の方法、実験結果などをスライドで示しながら、住民の方にわかりやすく説明しました。今後の課題も挙げて、さらに研究を進めていく旨を伝えました。
公務により途中退席された品川市長は、「素晴らしい研究報告をありがとう。ぜひ、阿武隈川にとって古川池はどういう意義を持っているのか研究していただきたい」とプロジェクトを激励されました。
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土木工学の粋を結集して、研究者たちが環境整備に取り組む
・続いて、プロジェクトメンバーから今後の研究の方向性も含めた報告を行いました。
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・引き続き、手塚准教授より古川池環境整備計画の基本方針を考慮した『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト』目標案について説明しました。洪水に対して安全であること、水量が豊かで多様な生物が生息できること、古川池の歴史や文化を大切にし、人と人のふれあいの場であること、緊急時に避難場所となり地域の人々によって支えられた川づくり、これらを目標とします。そのための整備計画についても案を示しました。流入部変更後の浄化と知水ゾーンも提案しました。手塚准教授は、学生たちが土木の業務に関わることによる実践的な学修の場としてのメリットもあると考えています。
・その後、住民の方々と意見交換を行いました。研究についての質問や独自の整備方法についての見解など、住民の方からも活発な意見が出されました。郡山市役所の職員の方から古川池の整備の状況について説明していただきました。子どもたちが安全で環境学習ができるフィールドになれば持続可能な整備につながるとの意見もあり、今後の研究成果に期待も高まっていました。
・最後に、プロジェクトメンバーでもある古川池愛護会の髙橋晋也会長が閉会のご挨拶をし、「多角的な視点から研究や提案をしていただき、期待と希望が膨らんだ報告会になった。産学官民の連携を継続して、子どもたちにとっていいまちにしていきたい」と決意を新たにしていました。
・住民の方々の前で調査研究について説明を行った学生たちは、「古川池公園化が実現することを考えるとやりがいがある。調査や実験は大変だけど、大学時代のいい思い出にもなる」、「地域に貢献できていることを実感できた。改めて真剣に取り組んでいこうと思った」、「想像していた以上に大きなプロジェクトに関わっていることがわかった。将来、自分たちの研究成果がどうつながっていくのかとても楽しみ」と話し、研究へのモチベーションを高めているようでした。
・この場をお借りして、報告会にご参加いただきました皆様に感謝いたします。これからも産官学民一体となってロハスの池プロジェクトを推進し、古川池の治水・利水・環境保全に努めて参ります。