建設現場の醍醐味を体感!実践的な学びを通して知識を深める
建築学科では、東北中央道の福島⼤笹⽣インターチェンジに直結する「福島おおざそうインター工業団地」内で建設が進む新工場の建設現場見学会を9月3日(火)・10日(火)に行いました。この工場は、⼤⼿機械⼯具メーカーの日東工器株式会社が⼭形市と福島県⽩河市にあるグループ2社の⽣産拠点を集約し、2025年夏の稼働開始を⽬指すもので、建築面積14,326㎡(4,333坪)、高さ約17.9mの鉄骨造2階建の工場になります。
「魅せる工場」をコンセプトに大手製造業の工場建築に実績豊富な芦原太郎氏が設計を担当、国立競技場を手掛けた隈研吾氏が監修し、着工前から大きな話題になっていました。工事を請け負うのは、全国に拠点を設ける準大手ゼネコンの株式会社安藤・間東北支店。工学部の多くの卒業生を採用していただいているご縁もあり、この度の工場建設の現場見学会が実現しました。
夏休み期間を利用した2日間の現場見学会には、学部2年次生から大学院生までの約40名が参加。著名な建築家である隈研吾氏監修の建築施工現場を間近に見られる絶好の機会ということで、大いに期待も高まっていました。
現場に到着後、事務所にて概要説明を受け、その後2つのグループに分かれて現場見学と座談会を実施。工事が行われている様子を見ながら、施工担当の方の説明を聞き、建物の構造、施工方法、設備の配置などを直接観察しました。このような大規模な建設現場に入るのは初めてという学生がほとんどで、まずはその迫力に圧倒されていました。図面上では理解しづらい実際の建設プロセスや、現場で使用される配管システムなど、新たな技術についても学びました。特に、学生たちはモックアップ(実物大模型)を見学し、設計の詳細を確認できたことが印象的だったようです。現場を見ることで、学生たちは建築設計と実際の施工の関係についてより深い理解を得ることができました。さらに、建設現場の安全性や清潔さ、そして現場で働く人々の温かさに驚いたと言います。
また、座談会では、現在女性技術者として活躍している工学部建築学科の卒業生が業務内容について自身の経験をもとに説明し、学生からの質問や疑問にも答えてくださいました。先輩との対話を通じて、建設業界における労働環境の改善についても知ることができたようです。
参加した学生は、「授業の設計課題ではデザインに注力していましたが、実際に施工するためには柱や梁などの建築部材の納まりが重要なんだと思いました。そういう意味でも、完成する前の施工途中の現場を見れたのは大変貴重でした」、「教科書で見るのと実際に見るのとでは、インパクトが違いました。現場のワクワクするような臨場感を味わえたのもいい経験になりました」、「将来、設計の仕事に就きたいと考えているので、このような大規模な建物の図面がどうなっているのか大変興味がありました。自分が身につけた設計の知識によって実際に建物が建つんだということがわかり、自信につながりました」と話しており、それぞれ今後の学修や研究活動に向けて、実り多き体験になったようでした。
この場をお借りしまして、現場見学会を実施してくださった株式会社安藤・間東北支店の皆様に御礼申し上げます。