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【電気電子工学科】「再生可能エネルギー講座」を開催しました

EAFフェローの柿崎氏による講演の様子

 電気電子工学科では、知識・技術を備え、人と環境に役立つ技術で未来に貢献する技術者を育成することを目的としています。その一環として、注目されている再生可能エネルギー分野の知識を養うために昨年度より福島県、公益財団法人福島県産業振興センター エネルギー・エージェンシーふくしま(EAF)と連携し、特別講座を展開しています。

 今年度は7月23日に3年生、9月18日に1年生~2年生に向けに再生可能エネルギー講座を開催し、EAFフェローの柿崎氏より「再生可能エネルギーを学ぶ」、株式会社風凛GMの吉田氏より「風力発電の基礎知識とメンテナンス人材育成を学ぶ」、株式会社高良の保坂氏より「廃棄太陽光パネルの中間処理業者としての役割」と題してそれぞれご講演いただきました。

 柿崎氏からは世界のエネルギー動向から再生可能エネルギーに対する取り組み政策まで、幅広くご紹介いただきました。加えて、福島県内における再生可能エネルギーの現状や、再生可能エネルギー産業と電気電子工学の領域との関連性について、具体的な分野や企業名を上げながらご説明いただきました。
 受講者の学生からは「再生可能エネルギーがどのようなものなのか知ることができ、課題点や今後の目標に向けての技術の発展などを知ることができ、もっと自分で調べて見たいと思った。」、「自分からはなかなか知り得ない様なお話が多く聞けてとても良かった。また、これからの課題についても分かりやすく教えてもらえて勉強になった。」、「よく聞くことだけど具体的な内容は知らなかったので話が聞けて学びになった。」、「再生可能エネルギーについて最新の技術や他国との比較など、興味深い話を聞けることができて良かった。進路としてエネルギー系統に興味があったので、化石燃料などの話も詳しく聞いてみたいと思った。」などの前向きな感想が多く聞かれました。

株式会社風凛GMの吉田氏による講演の様子

株式会社風凛GMの吉田氏による講演の様子

 株式会社風凛GMの吉田氏からは、これまでにアメリカの会社などで20年以上技術者として世界各地の風車のメンテナスに携わった経験を踏まえ、風力発電の基礎とメンテナンスについて学生にご紹介いただきました。福島県の国内最大規模の風力発電所である阿武隈発電所を例に挙げながら、風力発電の動向と原理について解説していただきました。メンテナスに関しては求められる資格として「電気主任技術者」*の位置づけについてご紹介いただき、風力発電所のオペレーション&メンテナンスに同資格が具体的にどのように組み込まれているかについてご説明いただきました。
 受講者の学生からは「注目されている再生可能エネルギーの一つである風力発電について知ることができてよかった。今までは仕組みと構造がどのようになっているのか分からずにいたが、今回の講演で知ることができて良かった。」、「風力発電の構造と管理、メンテナンスについて詳しく学ぶことができ、ナセル**の中がどのような構造であるのか今まで知る機会がなかったため、とても勉強になりった。」、「VRを用いた風力発電内部の様子や点検方法等について深く理解することができた」、「風力発電について、名前しか今まで分からなかったが、詳細を知ることができた。」などの好意的な感想が多く得られました。

*本学は電気主任技術者の認定校になります。詳しくはこちらから
**ナセル:風力発電機の上部の名称

株式会社高良の保坂氏による講演の様子

 最後に株式会社高良ですが、再生資源業として創業112年の歴史があり、種々のリサイクルを手掛けている企業です。保坂氏からは事業の一つである廃太陽光パネルのリサイクルについてご紹介いただきました。太陽光電池モジュールの構造からリサイクルにおける国際的な障壁や国内の法律の動向まで多角的にご説明いただき、県内の太陽光パネルのリサイクルの現状について詳しくご紹介いただきました。

 受講者の学生からは「地元でもソーラーパネルが増えてきて対処をどうするかを自分でも考えていたから処理の話を聞けて良かったと思います。」、「太陽光発電の分野は自分も関心があったので、そのリサイクルの過程や電池の生産量などがとても興味深い内容だった。」、「リサイクルされた太陽光パネルが何になるかを調べたことがなかったため、知ることができて良かった。」、「太陽光パネルの処理状況の現状を知ることができた。」といった感想が寄せられました。

 今回の特別講座では、再生可能エネルギー全体についての知識を養うだけでなく、洋上風力発電や太陽光発電のリサイクルといった、近年ニュースで取り上げられている最新の話題についても専門的な知識を得る貴重な機会となりました。本講演会を通じて得られた学びが、参加した学生の皆さんの今後のキャリア形成に大いに役立つことを期待しています。