最新情報

機械工学科3年の坂大小雪さんが「第35回自動車技術独創アイデアコンテスト」において最優秀賞を受賞しました

モビリティデザイン部会としては2度目の最優秀賞受賞!自動車の安全性と実現性の高いアイデアが評価される

 6月7日(土)、公益社団法人自動車技術会東北支部主催「第35回自動車技術独創アイデアコンテスト」が行われ、機械工学科3年の坂大小雪さんが大学・高専・専門校の部で最優秀賞を受賞しました。このコンテストは、自動車に関連する安全、環境、情報、快適さ等について次世代を担う若い学生が独創的で楽しいアイデアを最大限発表する場となっています。本年度は、応募総数32作品の中から第一次の書類選考で選ばれた入賞6作品がオンライン選考会でアイデアを発表し、審査の上、各賞が決定しました。坂大さんは、機械工学科公認の学生活動団体である機械工学モノづくり工房モビリティデザイン部会に所属し、日頃から仲間とともに自動車に関する設計・製作活動を行っています。
 坂大さんに受賞の喜びと提案したアイデアについて、詳しくお話を聞きました。

 

―最優秀賞受賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

 昨年10月からモビリティデザイン部会に所属し、自動車に関する設計・製作活動に取り組んでいます。普段は協力し合える仲間がいますが、このコンテストは個人での参加。初めて一人で挑戦し、最優秀賞をいただけたことは大変嬉しく、自信にもなります。

 

―提案された「緊急車両走行ルートAIナビシステム」のアイデアはどのようにして発想されたのですか。

 日頃からニュースを見ている中で、救急車と乗用車の衝突事故の報道を目にする機会が多く、気になっていました。緊急車両の接近に気づかず、適切に避けられない車が増えたことで、結果、事故や搬送の遅れにつながっていることが問題になっています。そこで、いち早く緊急車両の動向がわかるシステムがあったらいいのではないかと考えました。

 

―具体的にどのようなシステムなのか、教えていただけますか。

 まず、緊急車両が患者さんを運ぶ病院を決定しナビ情報に住所を入力後、その情報をクラウド経由で一般車両にも共有し、緊急車両の経路をリアルタイムにナビで表示します。自動車同士が直接通信を行うV2V通信で周辺車両の速度や自車との距離などを考慮したうえで、AIが道を譲る最適なタイミングと場所を提案。わかりやすいナビ表示と音声案内、時間に余裕をもった通知により、高齢者や初心者でも迷うことなく対応でき、事故のリスクを大幅に低減することが可能になります。また、ナビが案内してくれるため、判断ストレスや誤判断を減少させ、不慣れな道でも冷静な対応ができるので、ドライバーの負担も軽減でき、渋滞予防につながります。何より、スムーズに緊急車両に道を譲ることで、緊急車両の到着時間が短縮され、救命率の向上につながる点が最大のメリットと言えます。

 

―アイデアを形にするうえで、難しさや苦労したことはありますか。

 AIを使ったシステムなので、情報の知識が必要でしたが、最初はわからないことばかりで、「クラウドの原理は?」というところから調べていきました。このアイデアを実現にするために何が足りないのか試行錯誤しましたが、機械以外のこともいろいろ勉強できる貴重な経験になりました。

 

―どのような点が評価されたと思われますか。

 実現性を意識して開発に取り組んだことが、評価されたのではないかと思っています。実際に問題視されている事故を未然に防ぐためのシステムだったので、社会的意義も高く価値のある提案だと認めていただけたのかもしれません。

 

―なぜ機械工学を学ぼうと思ったのですか。

 もともとモノづくりに興味があり、つくったものが目に見える機械の面白さやカッコ良さに魅かれたというのが理由です。中でも車椅子などの医療系の機械を開発したいと思っていたので、先進的な医療工学の研究を行っている先生方が多く、医療工学に関連する授業も受けられる工学部に入りました。自動車ではありますが、モビリティデザイン部会は一からモノづくりに携われるので、楽しくてやりがいを感じています。

 

―将来の夢はありますか。

 高齢者や病気などの障害のある方が不自由なく日常生活を送れるようにサポートできる機械をつくりたいと思っています。

 

―今後、益々活躍されることを期待しています。ありがとうございました。

公益社団法人自動車技術会東北支部はこちら

機械工学科モノづくり工房はこちら