
12月6日(土)、令和7年度第68回日本大学工学部学術研究報告会を開催しました。日本大学工学部工学研究所では、学術研究および教育振興を目的として、教員や学生が日頃の研究成果を発表する「学術研究報告会」を年1回開催しています。会場となった工学部70号館は、多くの発表者と聴講者で賑わいました。
各部会の発表に加え「モノづくり現場の価値創造 ~アプローチとチームワーク~」と題した特別講演を開催。はじめに福島ロボットテストフィールド副所長の安藤則雄氏から福島イノベーション・コースト構想の一環として設立された福島ロボットテストフィールドの概要が紹介されました。東日本大震災と原子力災害で大きな被害を受けた浜通り地区の復興を目的としたプロジェクトである福島イノベーション・コースト構想は六つの大きなプロジェクトから成っており,福島ロボットテストフィールドがロボット関連産業機能構築の中心的役割を担っています。
続いて、一般財団法人 日本航空機開発協会(JADC) 専務理事であり、福島ロボットテストフィールド グローバルアドバイザーでもある若井 洋氏から、動画によるご講演をいただきました。


若井氏は自身の専門である航空機産業について、極めて高い安全性が求められ、長期的視点が必要な特殊な産業であることを説明しました。そのうえで、真の競争力は、相反する要素を最適化し個別技術を統合する「システムインテグレーション」にあると説かれました。V字モデルに基づく厳格な開発プロセスや、信頼関係と目標共有に基づくチームワークの重要性は、航空機産業だけでなく「ものづくり全般」に通じる普遍的な指針として示されました。また、「夢を計画に落とし込む」ことの重要性も強調され、参加者にとって技術者としての姿勢を見直す貴重な機会となりました。
本年度は校友も含め、215件の研究が報告されました。各部会の会場では活発な質疑応答が行われ、今後の研究活動に向けた刺激となっていたようです。

30件の研究報告があった土木工学部会

30件の研究報告があった建築学部会

21件の研究報告があった機械工学部会

41件の研究報告があった電気電子工学部会

22件の研究報告があった生命応用化学部会

33件の研究報告があった情報工学部会

4件の研究報告があった総合教育部会(人文社会)

9件の研究報告があった総合教育部会(自然科学)

25件の研究報告があった教育に関する部会
教育に関する部会では、専門分野の枠を越えた教職員による発表が行われ、大学教育における共通課題を提言する有意義な場となりました。また、県内外の高校で教鞭を執る校友も多数参加し、工学部出身の教育者としての視点から、高大連携の重要性について熱心な意見交換が行われました。
今後さらに多くの研究成果が生まれ、充実した研究報告の場となることが期待されています。
