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産学官連携による「日本大学工学部 地域連携課題解決型PBL授業」が始まりました

課外講座「次世代モビリティーと郡山で挑戦する新たなまちづくり」

 この度、郡山市の未来を担う理工系人材の育成と、持続的なイノベーション創出を目指した新たな「地域連携課題解決型PBL授業」が二つの課外講座として始動しました。学生が地域社会の現実的なテーマの下、ワークショップ形式で主体的に取り組み、座学だけでは得られない実践的な能力を養うための、まさに「未来志向」の学びの場です。このPBLを通してコミュニケーション力、社会(地域)連携力、課題探求力の養成とともに、地域における企業や大学の役割や価値を理解して地域産業を支えていく人材育成を目的としています。

 10月4日(土)10:00より本館3階 第一会議室において、課外講座「次世代モビリティーと郡山で挑戦する新たなまちづくり」のガイダンスと講演会が開かれました。本学部は令和5年から郡山市、BRJ株式会社との三者協定「電動キックボード導入社会実験の共同研究にかかる連携協定」を締結し、電動キックボードの機体制御、安全性検証、運用手法検証等にかかる実証データの分析を行ってきました。ここからさらに発展させた産官学の連携事業が今回の課外講座のひとつとなります。

現実社会を舞台にした「課題解決型学習(PBL)」

 はじめに機械工学科の杉浦教授がPBLの活動の趣旨を紹介しました。PBLは学生たちが自らテーマを設定し、学科を横断したチームで協働しながら課題の発見・調査・解決策の提案までを行う実践的な授業であり、本PBL活動では、郡山市とも連携して地域への深い理解と地方産業の持続的発展を支えるための新たな視点を育む機会であると述べました。社会的リアリティがある本テーマについて自分自身の問題として考えることで、実践的な思考力と協働スキルを身につけ、問いを立てる力、社会に働きかける力を伸ばしていこうと伝えました。

 続いて郡山市都市構想部都市政策課 高橋勇介氏にご講演いただきました。高橋氏からは、日本の地方都市が抱える構造的な課題と地域課題に関する多数のプロジェクト立案の実績が紹介されました。郡山市の現状と予想される未来についても語られ、次世代モビリティが生み出すソリューションに関してヒントを示していただきました。

 お二人目の講演者として、BRJ株式会社代表取締役の宮内秀明氏が登壇されました。次世代モビリティの社会実装を推進するリーダーとして、テクノロジーによる走行制御で「事故を起こしたくても起こせない/起きにくい」状態を目指す安全設計思想や、新しいまちでのスタートアップ支援を背景に、全国136自治体との関わりを視野に入れて活動している様子を伝えていただきました。

 講演の後、学生たちは各チームに分かれ、今後の予定について検討しました。それぞれが取り上げるテーマの設定をはじめ、中間発表、最終報告に向けた準備計画、全てにおいて学生たちの自主的な取り組みとなります。ワークショップのスケジュールもチームにゆだねられました。このPBLを通じた実践的な学びは、学生たち自身の可能性を広げ、将来、地域社会だけでなく世界を舞台に活躍するエンジニアへと成長するための、強固な土台となるに違いありません。今後の学生たちの成長と、そこから生まれるイノベーションに、大いに期待が寄せられています。



本PBLのファシリテーター

機械工学科教授 杉浦隆次
土木工学科准教授 川崎洋輔
電気電子工学科教授 高梨宏之
情報工学科教授 和泉勇治
機械工学科准教授 プラムディタジョナス