フィールドワークを通して「地域路線維持の重要性と課題」を学ぶ

9月9日(火)、土木工学科の学生6名が、『只見線線路設備見学・検査体験』に参加しました。福島県只見線管理事務所が官学・地域交流を図ることを目的に、工学部へ学習の場としてフィールド提供を行い、学生たちが「地域路線維持の重要性と課題」について学ぶ機会として企画されたもので、昨年に続き2回目となります。今年は令和6年度の冬に長期運休の原因となった雪崩発生箇所の線路設備を見学し、県管理区間の鉄道防災の取り組みについて学ぶとともに、鉄道の維持管理における検査の重要性を知るための橋梁全般検査体験が行われました。
当日は、指導教員である阿部慶太准教授と石橋寛樹専任講師、今年度から本学部に赴任した及川大輔助教も同行。道の駅会津やないづ(柳津町)で只見線管理事務所の羽生宏史所長や職員の方々と合流し昼食を取ったのち、蒲生トンネル坑口付近の線路設備見学に向かいました。


会津川口駅と只見駅の区間では大雪の影響により沿線で複数の雪崩や多数の倒木があり、特に蒲生トンネル坑口付近は除雪作業が困難な状況だった場所です。写真と実際の現場を見ながら、当時の状況や復旧作業など、防災の観点からどのように鉄道の維持管理に取り組んだのかを丁寧に解説いただきました。普段は立ち入ることのできない線路内の施設に足を踏み入れた学生たちは、いかに災害を防ぎ鉄道を守るか、その重要性をひしひしと肌で感じていました。
その後、会津蒲生駅では、沿線6市町村で制定された『只見線にみんなで手をふろう条例』に従い、学生たちも上り列車に手を振ってお見送り。乗客の皆さんも笑顔で手を振り返してくださり、地域の人々と心通わせる、そんな和やかなひとときになりました。

続いて体験したのは、叶津川橋梁の全般検査。会津蒲生駅から只見駅間にある叶津川橋梁は全長372mの鉄道橋です。劣化状況を確認するポイントなどを聞きながら、橋下からの目視による点検検査を行いました。橋梁の損傷を早期に発見し、安全を確保するための重要な作業になります。学生たちは、こうしたフィールドワークの中での貴重な経験を通して、鉄道の維持管理などインフラに携わる土木の役割とその重要性を学ぶことができました。
最後に、叶津川橋梁ビューポイントから下り列車に手を振って見送りながら、地域の人々を守り、地域に貢献できる仕事へのやりがいを実感していました。
工学部では、地域の課題解決につながる実践的な学びを通して、学生が社会で活躍できる技術や人間力を身につけられる様々なプロジェクトを推進しています。
今後も地域と連携し、学生の成長と地域の発展に取り組んで参ります。
ご指導いただきました福島県只見線管理事務所の方々に、深く感謝申し上げます。
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