将来の可能性が広がる、大学院進学のススメ

電気電子工学科では、今後の進路について考える3年次生や大学院に興味のある1・2年次生を対象にした『大学院進学懇談会』を10月30日(木)に実施しました。大学院進学に関する情報提供に加え、進学を決めた4年次生からのメッセージや社会で活躍する修了生の大学院での体験談を紹介し、大学院の魅力や就職の優位性など進学のメリットを伝えました。リアルな話を聞ける絶好の機会とあって、会場となった62号館(ハットNE)6232講義室に集まった学生たちは真剣に耳を傾けていました。
はじめに、学科主任の石川博康教授が大学院の概要、メリット、カリキュラム、奨学金制度などについて説明しました。メリットとして、自分のやりたい研究ができることや学会活動を通じてコミュニケーション力を高められること、大手企業からの推薦を獲得しやすく就職活動に有利であること、初任給が高くなることなどを挙げました。奨学金などのサポートも万全だと伝えました。
次に、4年次生3名が登壇し、大学院進学を決めた理由などについて語りました。
ワイヤレス通信研究室(指導教員:田村 成助教)に所属する大村幸誠さんは大学院進学を直感で決めたそうで、社会に出て安定した生活を送るより大学院に進学し、新しいことに挑戦する道を選んだと言います。目標は、いま取り組んでいる研究を実用化できるレベルまでやり遂げること。大学院で経験を積んで、将来の可能性を広げたいと決意を語りました。

光通信デバイス研究室(指導教員:俵 毅彦教授)に所属する浦井涼雅さんは、研究を始めてから「本当の意味での研究がしたい」と考えるようになったそうです。進学に伴う金銭的リスクは奨学金の返済シミュレーションでクリアし、学修面での不安も大学院の先輩のアドバイスで解決。悩んでいる後輩に「研究室の先生や先輩に相談できるから、一緒に大学院で学ぼう」と呼びかけました。

岡田 華さんは、3年次に研究室選びをする際、プログラミング技術を学びたいと思い、制御工学研究室(指導教員:西田豪准教授)を選び、西田先生の支えと、国際学会に参加する機会を得たことが進学を決める大きな要因になったそうです。進学後は研究内容をより深く学び、学会発表に参加してプレゼンテーション能力や英語力の向上を目指したいと話していました。

最後に、アルプスアルパイン株式会社に勤務する栁沼 祐さん(2019年度修了/制御工学研究室)が登壇。大学院進学を決意した経緯について、学部時代に留年したことで卒業後の進路について真剣に考える時間があり、大好きな自動車関連の製品開発に携わりたいと思ったことがきっかけだったと話しました。就職後に感じた大学院のメリットとして、初任給が学部卒より高く(学部卒26.9万円、院卒29.4万円)、生涯年収で約5,000万円の差がある、希望の部署に配属されやすい、専門性が深まるので転職時にもキャリア形成の幅が広がることを挙げました。また、大学院進学は楽な道のりではないが、自分のやりたいことを実現するために必要な時間だったと話しました。最後に、会社や現在の仕事、自身が設計開発に携わった製品についても紹介し、仕事のやりがいを熱く語ってくれました。

学部生、大学院生、修了生、教員の枠を越えて語り合う!

講演の後には、ハットNE2階カフェテリアで大学院生と学部生の懇談会が行われ、大学院生に直接質問や相談ができる場も設けられました。和やかな雰囲気の中で歓談しながら、リアルな大学院生活や研究室の様子を聞いたり、就職の相談や悩みを打ち明けたりするなど、学生たちは学年の垣根を越え本音で語り合っていました。電気電子工学科の教員も学生に交じって談笑する場面が多く見られ、同学科の良さでもある「先生とも気軽に話ができる距離の近さ」が伝わってきました。






参加した学生は、「大学院進学のメリットなどの話が聞けて大変良い機会になった」、「大学院生の先輩と比べて今の自分の足りなさを実感した」、「自分も進学して研究を深めたい、自分の考えをアウトプットできる能力を身につけたい」と、大学院進学への意欲を高めていました。1・2年次生の姿もあり、先輩からいろいろアドバイスを受けて「モチベーションの高い仲間と一緒に学ぶのが大事だと思った」と話していました。これまで大学院進学を考えていなかった学生にとっても、進路の一つとして考えるきっかけになったようです。将来の可能性を広げるために、大学院に進学する学生が増えることを期待しています。
