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2024年度建築学専攻博士前期課程を修了した西陸登さんが、2024年度日本コンクリート工学会東北支部奨励賞を受賞しました

 この度、2024年度建築学専攻博士前期課程を修了した西陸登さん(建築材料学研究室/齋藤俊克准教授)が、2024年度日本コンクリート工学会東北支部奨励賞を受賞しました。この賞は、コンクリートに関する独創性、萌芽性及び将来性のある優れた論文又は報告(テクニカルレポート、工事記録等)をした若手研究者を対象に、公益社団法人日本コンクリート工学会東北支部表彰委員会の選考により決定します。

 西さんの論文『ポリマーセメントモルタルの圧縮および曲げ強さ推定式の検討』では、ポリマーセメントモルタル(PCM)の調合要因をその水セメント比(W/C)並びに、モルタル中のポリマー固形分、空気及び細骨材の体積分率とし、これらの調合要因及び養生方法を説明変数とした、PCMの曲げ及び圧縮強さに関わる影響因子算定式を導くと共に、それらの影響因子を用いたPCMの曲げ及び圧縮強さ推定式を提案しています。

 西さんは、これまでの研究で提案したPCMの曲げ及び圧縮強さ影響因子のポリマーの体積分率の項、JISに規定の養生及び現場を想定した養生条件をその因子に導入することについて検討を行いました。その結果、曲げ及び圧縮強さの推定値と実測値がより高い相関となる、養生係数を導入した新たな強さ推定式を確立することができました。これは、各用途に応じた、PCMの合理的な調合設計手法の確立につながる先進的な研究と言えます。

 独創的な視点で考察を加え、PCMの強さ性状を評価するための推定式を確立しようとする萌芽性を有し、建築・土木分野におけるPCMの用途にかかわる将来性のある研究であることが高く評価され、奨励賞に輝きました。

 現在、西さんは太平洋マテリアル株式会社で、材料開発分野の研究職として活躍しています。

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