産学官民が連携して取り組むロハスの池プロジェクト
郡山浪漫回廊計画実現に向けて、さらに前進!!
2月27日(火)、54号館中講堂にて、『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)令和5年度報告会』が行われました。ロハスの池プロジェクトでは、古川池に適した水環境の創出を目指して、地域住民(古川池愛護会等)、行政(郡山市)、企業の産学官民連携で活動を推進しています。現在、プロジェクトリーダーの手塚公裕准教授を中心に、土木工学科10研究室の教員、古川池愛護会のメンバー3名、アドバイザーとして建設コンサルタント4名を含めたメンバーで構成され、水量・水質・底質・植生・親水性を評価する研究を行うほか、それそれの専門分野を活かして環境整備の検討を進めています。
また、大学内の課外講座や日本大学東北高等学校理科部の生徒を対象にした環境教育にも力を入れています。報告会には地域住民の方々のほか、工学部土木工学科の卒業生で、現在郡山市の副市長を務める村上一郎氏(写真左)も訪れ、「古川池の課題解決に向け、学生たちの活躍に大いに期待している」と激励の言葉をいただきました。まず、手塚准教授よりプロジェクトの概要について説明した後、本年度の各研究室の調査研究の状況や成果について報告を行いました。
学生たちの研究活動への評価と期待も高まる
土木工学の各専門分野の研究者が古川池の環境改善に挑む
次に、学内のプロジェクトメンバーによる報告を行いました。水質浄化を担当する中野和典教授は、実験から実用段階に入っている植生浮島について説明し、今後は植栽した園芸作物の収穫イベントを近隣の高校や町内会の皆さんと企画していきたいと抱負を述べました。治水担当の金山進教授は治水の観点からみた古川池の役割や洪水発生時の浮島の影響など今までになかった概念について検討していくことを示しました。環境水理担当の梅田信教授は降水量と濁度の変化に着目。雨の降り方と治水との関係も視野に入れて研究を進めていきたいと決意を新たにしていました。景観・歴史担当の知野泰明准教授は水制を使った治水対策について説明するとともに、今後は古川池を含めた阿武隈川の変遷の歴史についても調べていきたいと述べました。最後に手塚准教授から環境改善・環境教育等令和5年度の活動報告と行うとともに、令和6年度の活動予定についても紹介しました。引き続き調査研究やプロジェクトの活動を活発化させながら、ロハスの浮島の貸し出しといった新たな取り組みも検討していることなどを伝えました。
学外メンバーからは、古川池愛護会・事務局長の畠良一氏が登壇し、古川池愛護会について設立の趣旨や経緯、これまでの活動などを紹介しました。整備計画を早期に実行させるには、地元住民も積極的に活動することが重要であり、それが郡山市の取り組みの助長につながると示唆しました。会場にいた金屋第二町内会会長も、ともに古川池の環境改善に尽力していきたいと決意を示してくださいました。アドバイザーの牧乃瀨統氏からは発表に対する講評をいただき、昨年度よりもグレードアップしたとの評価をいただきました。最後に古川池愛護会会長の髙橋晋也氏がご挨拶し、学生への労いの言葉とともに、郡山浪漫回廊計画実現に向けて産学官民で古川池を郡山の伝統と文化を継承するシンボル的な親水公園にしていこうと協力を呼びかけ、報告会を締めました。
この1年間、研究活動に奮励してきた学生たちも、地域社会に貢献できたことで大きな自信と達成感を感じていたようです。この場をお借りして、報告会にご参加いただきました皆様に感謝いたします。より一層、産官学民の連携を深め、ロハスの池プロジェクトを推進し、古川池の治水・利水・環境保全に努めて参ります。
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