日本大学工学部の教育・研究方針である「ロハス工学」を冠としたセンターの設立は、長年の夢でもありました。これまで、約20年にわたり、先人たちが「ロハスの工学」に関する様々な成果を生み出してきましたが、「ロハスの家」、「ロハスの橋」、「ロハスの花壇」といったプロジェクトはあっても、本学部内の恒久施設や組織に「ロハス」の名称を付けたものはありませんでした。しかしながら、2年前に過去20年の成果をまとめた書籍「ロハス工学」(日経BP社)を発刊し、それまで「ロハスの工学」と呼ばれていたものを「ロハス工学」と命名したことで、本学部内での「ロハス工学センター」設立に対する動きが加速し、この日を迎えることとなりました。
本センターの役割はまさに、本学部におけるロハス工学に関する研究・教育・地域貢献・国際貢献の中枢を担うもので、ロハス工学に関わる全てのプロジェクトがこのセンターを基軸に展開されます。本センターにおいて、令和2年度ロハス工学に関する研究プロジェクトを公募したところ、従来のプロジェクト6件に対し、新たに7件の新規プロジェクトが採択され、合計13件にも上るプロジェクトが精力的に進められています。
さらに今後は、昨年10月の台風19号で被災したロハスの家跡地を再生し、そこに、本センターのオフィスを開設するとともに、学生や教職員の教育・研究スペース、さらには地域の方々にとっての憩いの場となるような施設を構築する予定です。そこには、これまで20年にわたり培ってきたロハス工学に関する技術を凝縮するとともに、この先20年にわたり長期的視野に立って、ロハス工学を発展させるための新たな技術も導入する予定です。
くしくも東日本大震災から10年という節目を迎え、この「ふくしま」の地でしか実現することのできない、本センターから発信される成果の数々を皆さまどうぞご期待ください。
2020年11月