2020-01

ハ酒研究プロジェクト

プロジェクト画像

ハスの視点で農業支援の実現を目指す

概要

人口減少と少子高齢化による農業就業人口減少は顕著であり、食料の安定生産はもとより日本の原風景である里山の存続も危惧される状況にあります。適度な人手により自然環境を持続させることができたと言える里山は、自然と共生する知恵の宝庫であり、ロハス工学の視点で学ぶべき温故知新に溢れています。本プロジェクトでは、日本の原風景である里山の持続に貢献するロハス工学による農業支援の実現を目指します。そのためのテーマとして合鴨農法と酒造りに焦点を当てました。合鴨農法は、無農薬で化学肥料を使用しない有機農法でありながら、労力の削減も可能にするロハスにふさわしい農法です。また、福島県の風土を活かしロハス工学の視点から新しい酒造りを提案することで、地域貢献につながるものと考えています。

目標

①合鴨農法による稲作からその米を醸造したロハ酒づくりまでの工程やロハ酒の評価に関わることで、現状の課題を抽出する
②ロハス工学の新たな応用により課題解決を図る
③農工連携の実績を積み上げる中で農業を学び、農業を支援できるロハスエンジニアの育成を目指す

活動予定

第1期:合鴨農法とロハ酒づくり支援、現状の課題の抽出
第2期:合鴨農法における物質収支研究、合鴨の管理と保護を目的としたドローン解析による合鴨の行動パターン研究、米の品質および健康への有益性を検証するロハ酒の生物化学研究

<令和4年度研究活動の概要>

新型コロナウイルス感染防止を考慮した中での3年目の活動実績は以下のとおりである。

① すとう農産株式会社、Bond&Co.株式会社の合鴨農法による稲作の支援:合鴨網張、田植え、除草等の作業をのべ36名の学生と教員2名(中野、大山)で支援した。

② ロハ酒醸造会議の開催:2023年度のロハ酒の風味の方針について杜氏の佐藤健信(峰の雪酒造場)氏と意見交換した。
  参加者/中野、大山、中村、佐藤健信(峰の雪酒造場)、ボンド リチャード、ボンド亜貴(Bond&Co.株式会社)

③ 2023年度成果中間報告会の開催:合鴨農法へのDX技術の適用やロハ酒の化学分析等の成果について共有した。
  参加者/中野、大山、中村、小林、加藤

④ ロハ酒委託分析の実施:ロハ酒の貯蔵条件がアミノ酸成分等に及ぼす影響についての委託分析依頼を峰の雪酒造場より受け、アミノ酸分析(小林)及び光学的分析(加藤)を実施した。

⑤ 日本酒勉強会&酒蔵ツアーの実施:日本酒づくりを学ぶ勉強会(講師:佐藤健信)と喜多方の3つの酒蔵を視察する酒蔵ツアーを実施した。
  参加者/中野、大山、佐藤健信(峰の雪酒造場)、ボンド リチャード、ボンド亜貴(Bond&Co.株式会社)、学生12名、学内参加者1名、学外参加者2名(合計20名)

⑥ イベントや各会議を通して、ロハ酒研究会メンバーが実施可能な支援が始まった。4年目には支援の拡大を試みる予定である。


写真1

ひなの合鴨を育成

写真2

学生による田植えなどの農業支援

写真3

収穫された米で作られた「ロハ酒」

ロジェクトメンバー

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プロジェクトリーダー

土木工学科/教授
中野 和典

【研究分野】環境技術・環境材料、土木環境システム

プロフィール
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ロハ酒評価

生命応用化学科/教授
加藤 隆二

【研究分野】光エネルギー変換、人工光合成、反応・機能計測、物理化学

プロフィール
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ロハ酒評価

生命応用化学科/教授
春木 満

【研究分野】生物分子科学、生体関連化学、生物機能・バイオプロセス

プロフィール
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ロハ酒評価

生命応用化学科/教授
小林 厚志

【研究分野】高分子化学、生体関連化学、生物有機化学

プロフィール
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合鴨農法

情報工学科/准教授
中村 和樹

【研究分野】リモートセンシング工学、雪氷学、地球科学、ジオインフォマティクス

プロフィール
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合鴨農法

情報工学科/准教授
大山 勝徳

【研究分野】ヒューマン・コンピュータ・インタラクション、ソフトウェア工学

プロフィール