古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト令和6年度報告会を実施しました

新たな研究分野のメンバーも参加し、広がる活動の輪
ロハスの池プロジェクトへの発展に期待も高まる

 2月17日(月)、54号館3階中講堂にて、『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)令和6年度報告会』が行われました。ロハス工学センタープロジェクトの一つとして、令和3年度からスタート。古川池に適した水環境の創出を目指して、地域住民(古川池愛護会等)、行政(郡山市)、企業の産学官民連携で活動を推進してきました。

プロジェクトリーダーの手塚公裕准教授を中心に、土木工学科教員10名と建築・機械・電気・生命・情報分野の学科から6名、古川池愛護会のメンバー3名、アドバイザーとしてコンサルタント5名を含めたメンバーで構成されています。本年度から日本大学東北高等学校理科部の生徒も参加。課外講座の受講生として参加していた学生たちは、新たに「ロハスの水環境サークル」を立ち上げて参加するなど、活動の輪も広がっています。今回は、「理想の姿を考える」をテーマに、整備方法の検討、維持管理方法の検討に取り組んだ第2期の最終報告となります。地域住民の方々にもご参加いただき、各研究室で行っている調査研究の状況やプロジェクトメンバーが各専門分野の研究について報告を行いました。

ロハスの池プロジェクトの研究成果と第3期に向けた計画を発表

 初めに、手塚准教授がプロジェクトの概要について説明。その後、卒業研究生、大学院生等が本年度の研究活動とその成果について報告しました。

【収穫した植物の活用方法】
日大東北高校理科部:1年生/生田莉子さん、
植村はる香さん、佐藤玲唯さん、先崎成美さん

【古川池の定期調査による親水性評価と雨水貯留ブロックによる降雨河川の濁度上昇抑制効果】
水環境システム研究室:青木優真さん 飯田涼介さん

【徳定川と古川池における濁度の測定と解析】
環境水工学研究室:菅沼勇希さん 鈴木冴將さん

【改修後の古川池の流動特性について】
沿岸環境研究室:佐藤竣一さん、助川来美さん

【導流堤による古川第4池の滞留対策について】
沿岸環境研究室:橋本萌音さん

【園芸作物を植生した浮島による栄養塩の
吸収除法と根圏生態系の創出】
環境生態工学研究室:渡邊航基さん

【植生浮島と遮光による古川池第2池の水質改善の試み】
環境生態工学研究室:木村晃章さん

【2024年度活動報告と2025年度の展望】
起業サークル:片岡大輝さん、岩下優斗さん

【古川池に架設する木橋の選定と基準】
橋梁工学研究室:石川璃史さん、西澤渓介さん

【環境DNA調査による古川池の魚類相】
PJメンバー:橋本正志さん(陸奥テックコンサルタント)

【初年度の活動報告と2025年度計画】
ロハスの水環境サークル:青木優汰さん、五十嵐颯飛さん、池田盛隆さん

第3期に向け研究分野も拡充、防災親水公園化の実現を目指す

 次に、学内のプロジェクトメンバーによる報告を行いました。【総括・水環境】担当の手塚准教授からは、本年度の報告とともに、次年度の計画を発表。LOHAPPYS TOWN構想の実現をめざし、活動の拡充、各種研究の連携強化等の具体的な進め方について説明、【水質浄化】担当の中野和典教授からは、起業サークルや研究室、高校生の植生浮島の実践的な取り組みの報告と、効果を検証する第3期に向け企業の協力を要請、【治水】担当の金山進教授は、改修後の古川池の流動環境の変化と周辺への影響について説明、新たにメンバーに 加わった【制御工学】担当の電気電子工学科の髙梨宏之教授と【サステナブルエネルギー】担当の機械工学科の田中三郎准教授が挨拶し、今後の抱負と研究計画を発表、【地域計画(建築)】と【高分子材料(生命応用)】という研究分野からも新たに2名の研究者がプロジェクトに参加することを手塚准教授が紹介。



 古川池愛護会会長の髙橋晋也氏からは、研究活動に従事した学生たちへの労いの言葉とともに、賛同する企業を巻き込みながら学生とともにプロジェクトの発展に寄与する決意が述べられました。古川池愛護会事務局の山根悟氏、アドバイザーの牧乃瀨統氏(オリジナル設計株式会社)、安藤和哉氏(東建土質測量設計株式会社)、橋本正志氏(陸奥テックコンサルタント株式会社)、沖津二朗氏(応用地質株式会社)学外メンバーからは報告を受けての所感や話題提供などがあり、今後の研究活動に期待を寄せていました。

 最後に、古川池愛護会事務局長の畠良一氏が、古川池の歴史について紹介し、河川整備の問題点にも触れました。プロジェクトの活動の輪が広がっていることから、さらに小学校、中学校にも波及させ、プロジェクトの重要性を広く認知させていきたいと述べました。終わりに、卒業する学生たちに慰労の言葉を送り、令和6年度の報告会を締めました。

 大学院を修了する木村さんは、「報告会での発表は8回目ですが、有終の美を飾ることができたと思います。研究報告を通して、伝える力が鍛えられました。古川池の水質がより改善されることを願っています」と思いを語っていました。ロハスの水環境サークルのメンバーたちも発表する機会を得て貴重な経験ができたと話し、今後の活動への意欲をのぞかせていました。

 これからも産官学民の連携を深めながら、研究活動を推進し、ロハスの池プロジェクトを通して地域社会への貢献を目指していきます。この場をお借りして、報告会にご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。

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