水環境を改善し、古川池の生態系を守ろう!
ロハス工学センタープロジェクトの一つである『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)』では、古川池の独自の特徴を活かしつつ、治水・利水・環境保全といった多面的機能を最大限に引き出し、その機能を円滑に持続させる方法について、地域の方々や行政とともに検討しながら活動を進めています。
その古川池では、平成7年に詳細な環境調査が行われて以来、約30年間環境調査が行われていません。この間に周辺環境や自然災害の影響で生態系、特に魚類相に変化があることが予想されます。そこでこの度、古川池の一部ではありますが、下記の4か所で魚類調査を行い魚類相の概要を把握し、30年前との比較を行うことになりました。7月31日(月)、外部のプロジェクトメンバー橋本正志氏の所属する陸奥テックコンサルタント株式会社に協力していただき、サデ網、タモ網、カゴ網、投網、セルびん等を使用した捕獲方法で、調査を実施しました。
この調査には、ロハスの池プロジェクトのメンバーの他、土木工学科の水環境について学ぶ環境生態工学研究室(中野和典教授)、環境水工学研究室(梅田信教授)、水環境システム研究室(手塚公裕准教授)の学生8名と課外講座を受講する土木工学科2年生3名、そして日本大学東北高等学校理科部の2年生2名が参加。猛暑の中、魚類の捕獲に奮闘しました。
まずは、第4池での調査が行われました。学生たちも胴長に身を包み、網を片手にいざ出陣!淀んだ池の中に潜む魚たちは、危険を察知したのかなかなか現れません。草の影にその姿を発見!しかし、魚は網を掻い潜り、猛スピードで逃げていきます。学生と魚との格闘は30分ほど続きました。
学生たちの活躍もあり、淡水魚のオイカワやモツゴ、外来種のオオクチバスなど5種類の魚のほか、エビも捕獲されました。調査後は池に戻し、次の場所、第3池に移動しました。
第3池の調査には、日本大学東北高等学校の生徒たちも意気揚々と参戦!しかし、広域で深さのある池での魚の捕獲は難航しました。そこで、投網を使って大量の魚たちを引き寄せる作戦に切り替えました。すると、27㎝ものゲンゴロウブナも網に掛かり、一旦は逃げられたものの、学生胴長隊の好アシストにより、見事捕獲に成功!「ブラックバスはいるかなと思っていましたが、フナを捕まえることができて嬉しいです!」と満面の笑みを見せていました。その他、外来種のブルーギルなどの数種類の魚が捕獲されました。学生たちは午前中で作業を終了しましたが、午後には第1・2池の調査も実施。10種類の魚が捕獲された30年程前の調査と比べると、かなり種類が減っていたようです。池の水環境の変化や外来種の増殖など、様々な要因が考えられます。
参加した高校生は、「バスしかいないと思っていたけど、いろいろな種類の魚がいて楽しかったです!」と話していましたが、課外講座の受講生は逆に、「思ったより種類が少なかった」という印象を持ったようです。古川池の水質調査の研究に携わる学生は、「実際に池に入ってみて、かなり濁っていると感じました。きれいにしたいという思いが強くなりました」と研究への意欲を高めていました。
今後、水環境システム研究室では、古川池の水質改善を目的とした池干しの実験も進めていきます。プロジェクトリーダーの手塚准教授は、「植物の分布についても外部のプロジェクトメンバーが同時に調査しています。プロジェクトメンバーや地域住民の方々、そして大学生や高校生にもご協力いただきながら、より良い古川池の姿を求めるというミッション遂行のために、更に尽力していきます」と力強く宣言していました。
この場をお借りしまして、調査にご協力いただきました皆さまに深く感謝いたします。
★『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)』はこちら