Mobility Lab
バイオメカニクス
研究室
教授:西本 哲也


より安全・安心な交通社会と
長寿社会を目指して
当研究室では自動車等の機械の安全・安心の向上に関する研究を実施しています。特に人間のケガ(傷害という)に焦点をあて、傷害の発生を力学的に解明する機械工学の分野をバイオメカニクスと呼んでいます。近年では人体モデルと呼ばれる人間をコンピュータで再現した仮想モデルによるシミュレーションにより、人体に加わる力と傷害の関係を解析する方法が盛んです。人体モデルにより傷害発生のメカニズムを明らかにすることで、安全かつ安心な機械を製造するための研究を実施しています。特に少子高齢化の進む現代では、高齢者等の人体の力学的な特性が重要であり、交通事故の実態調査や傷害事例について大学医学部と共同で研究を実施しているのが当研究室の特徴です。このように工学と医学による共同研究を医工連携研究と呼んでいます。また未来の交通のために、人体の特性を取り入れた小型パーソナルモビリティビークルの開発を実施しています。このように、私たちは交通事故や転倒等による人間の被害を最小限にとどめるための研究を行い、それを交通機械へと応用して安全・安心な機械製造を支援していきます。

研究テーマ
- 医工連携による交通事故実態の調査・解析
- パーソナルモビリティ車両の運転支援システムの研究
- 人間特性を反映した衝撃実験用ダミー人形の開発
- 人体傷害のコンピュータシミュレーション
- 事故自動緊急通報システムの開発
実験設備・装置
- ドクターヘリを活用した医工連携研究
- 自動車交通事故の実態調査
- 事故自動緊急通報システムの開発
- 小型電動パーソナルモビリティの開発
- 自動運転を目指した運転支援システムの開発
- 人間特性を反映した衝撃実験用ダミー人形の開発
- ヒト頭部のコンピュータシミュレーションモデル

クルマでドライブする、飛行機で海外旅行する、電車で旅行する・・・車、航空機、鉄道車両のような交通機械は我々の社会を便利に移動できる手段です。しかし、一度事故が発生すると大きなケガをする可能性があります。便利に移動できることを「正」とすると、交通事故は「負」の面となります。この負の側面をできるだけ小さくするために傷害の発生メカニズムを研究し、新たな移動体としてのパーソナルモビリティビークルに機能を搭載することがバイオメカニクス研究の役割りです。たいへん興味深い研究ですので、一緒に未来の安全・安心な社会のための研究を実施しましょう。