機械工学モノづくり工房サステナブルロボット部会が第35回 知能ロボットコンテスト2023で3位入賞

起死回生!!敗者復活戦から決勝戦へ!
諦めない心で入賞を果たす!

左から)山田草太朗さん、遠藤龍世さん、佐藤圭さん、佐久間祐哉さん、菅谷 来偉那さん

 6月17日(土)・18日(日)、スリーエム仙台市科学館で第35回 知能ロボットコンテスト 2023(ロボット競技会実行委員会・メカトロで遊ぶ会主催)が行われ、機械工学モノづくり工房サステナブルロボット部会の2年生を中心とした『チーム キックバック』が決勝に進み、制作したロボット『パラボ』で見事3位の成績を収め、『アイディア倒れ賞』を受賞しました。

 機械工学科公認の学生活動団体である機械工学モノづくり工房サステナブルロボット部会は、様々なロボットコンテストへの出場を目指すロボット制作団体で、昨年11月に結成されました。企画・立案から設計・制御まで、学生がゼロからオリジナルのロボットを制作します。代表を務める機械工学科2年の佐藤圭さんと同2年の佐久間祐哉さん、山田草太朗さん、菅谷来偉那さんの4人のメンバーと大学院生の遠藤龍世さん(機械工学専攻博士前期課程1年)がアドバイザーとして参加。機械工学科の教員が顧問として活動をバックアップしています。結成当初から目標にしていた知能ロボットコンテストへの出場が叶い、3位入賞を果たしたサステナブルロボット部会。その挑戦の道のりをリポートします。

知能ロボットコンテストを目指して
機械工学モノづくり工房
サステナブルロボット部会始動!!

12月~1月

 6月の大会に向けて、どのように進めていくかスケジュールを立て、制作に必要な道具や部品を購入。プログラミングの勉強もしながら、どんなロボットにするかみんなで考えました!

2月~3月

 機体制作班とプログラミング班に分かれて、本格的なロボット製作を開始!3Dプリンターやレーザーカッターで部品を作成。期末テストや春休みと重なって大変でしたが、先生方からアドバイスをいただきながら、みんなで協力して作業を進めました。そして、ライントレースができるようになりました!

4月~5月

 完成した機体は遊園地のアトラクションに似ていることから『パラボ』と命名。『パラボ』はライントレースしてコースを進み、赤外線センサーでコース上のボールを認識し、プロペラが仕込まれた筒状の吸引機でボールを吸引する仕組みで、メリーゴーランドのように機体周りに取り付けられた吸引機を回転させることで最大4つまでボールを取ることができます。

吸引機の先に付いたカラーセンサーでボールの色を認識し、ボールの色ごとにゴールへ運びます。正確に読み取れるようにセンサーの位置やプログラムを修正するなど改良を重ねました。チーム名の『チームキックバック』は漫画チェンソーマンがモチーフ。書類審査も通過し、コンテストへの出場が決定して一安心!

 5月28日(日)のオープンキャンパスに向け、先輩方が本番に近いコースをつくってくれました!当日はブースを設置し、部会を紹介するとともに、高校生の皆さんに『パラボ』を披露しました。

6月

 いよいよ本番間近!競技形式で何度も走らせることで問題点も浮き彫りに。ここでも先生方からアドバイスをいただき、アームを強化。安定してボールが取れるように精度を高めていきました。しかし、本番2日前にトラブル発生!!果たして本番までに改善できるのか!?

知能ロボットコンテストが開幕!
1次予選敗退の危機を乗り越えて!!

6月17日(土)

 チャレンジャーズ34チーム、マスターズ4チームが会場に集結!熱気あふれる雰囲気の中、1次予選がスタート!

1次予選

 『チームキックバック』は14試合目に登場。競技時間5分で、どれだけボールを取ってゴールまで運べるか⁉初出場の緊張感が『パラボ』にも伝わってしまったのか、何度もリトライを繰り返し、1点も取れずに競技終了となりました・・・

敗者復活戦

 『パラボ』の不調は機体の配線が切れてしまったことが原因!急いで修理しました。諦めない気持ちがツキを呼んだのか、0点のチームが続出したため、敗者復活戦に出場できることに!少し不安でしたが、『パラボ』が上手くボールを吸引し、ゴールに運んでくれた時は嬉しかったです!! 敗者復活戦は3番目の成績で、2次予選に駒を進めることができました!

決勝戦で波乱を巻き起こす!?

6月18日(日)

2次予選

 ロボコン仲間からのアドバイスでボールの吸引力を調整したり、赤と黄の色認識の誤作動も改善。練習用コースで動作確認して、2次予選に臨みました。その甲斐あって、間違えずにボールと同じ色のゴールにしっかりと運んでくれました!結果、競技点プラス審査点の合計で6番目の成績となり、決勝戦進出が決定!!

いよいよ決勝戦!

 決勝戦に向け、練習用コースで入念に機体やプログラムを確認。本番用コースでも試走してOKでした!!そして、決勝の舞台。10分間走り続けたことがなかった『パラボ』ですが、これまでで一番良いパフォーマンスを見せて、点数を積み重ねてくれました!!インタビューでは機体について質問があり、チームで考えたアイデアを会場の皆さんに発表しました。

アイディア倒れ賞を受賞!!
今後の活動の励みになります!

各賞発表

 競技点は3番目の順位で、審査点との合計点も3位の成績を収めることができました。各賞の発表が行われ、我が『チームキックバック』は『アイディア倒れ賞』を受賞。4つの吸引機でボールを取るというアイディアは良かったのですが、安全策を取って実際には2つしか使わなかった点が受賞理由のようです。でもアイディアは評価されたと思うと嬉しいですし、全体で3位の成績も私たちにとっては思ってもみなかった結果で、満足しています。これもサポートしてくださった先生方や先輩、アドバイスをくれたロボコン仲間のみなさんのおかげです。ありがとうございました!!

活動を通して成長できました!

佐藤圭さん(埼玉県 花咲徳栄高校出身)

 団体を立ち上げてから初めての大会出場に向けて活動を進めていく中で、スケジュール管理や作業分担など代表として取りまとめていくのが難しかったです。たくさんの方々に支えられながら、人と人との繋がりとコミュニケーションの大切さを学びました。また、知能ロボコンに参加してロボット好きの仲間が大勢いることを知り心強いなと思いました。

佐久間祐哉さん(福島県 白河実業高校出身)

 私たちだけでは前に進めなかったので、先生方の存在はとても大きかったです。技術的にまだまだ足りない部分があり、競技ルールに則ったロボットづくりができず、大会への見通しの甘さを痛感しました。チーム内のコミュニケーションが取れていないとモノづくりが上手くいかないことも学びました。この貴重な経験を次に活かしたいと思います。

山田草太朗さん(栃木県 高校卒業程度認定試験)

 プログラミングの知識があったのでプログラムを担当しましたが、なかなか大変でした。特に赤外線センサーでボールを認識させるのに苦労しました。みんなで協力して何かを成し遂げることの難しさや面白さを体感できて、大変勉強になりました。敗者復活戦でボールがゴールした時は、思わずガッツポーズが出てしまうほど嬉しかったです。

菅谷 来偉那さん(茨城県 日立第一高校出身)

 大会に参加していろいろなロボットが見れたことは大きな収穫でした。大会期間中は出場チームの中で一番練習していましたし、それが実を結んだと思います。実戦を通してしか学べないことがたくさんありました。その場その場で臨機応変に考え問題点を改善していくことで、対応力が身についたと思います。

 次に出場する大会はまだ決まっていませんが、レスキューロボットコンテストやWorld Robot summitといった社会的価値の高い大会での入賞を目指していきます。

写真左/指導教員:今林亘助教

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