山下 光希さん(2023年度卒業)
福島県/福島工業高等学校出身
就職先
AGCエレクトロニクス株式会社

日本大学工学部の生命応用化学科を選んだ理由は?
工業高校の環境化学科で有機や無機化学の基礎を学び、さらに幅広い分野の化学を学びたいと進路を考えた時、当時の担任の先生から応用的な化学を学べる大学があると教えていただいたからです。
特に興味を持った授業や分野は?
機器分析の授業がとても面白かったです。未知試料に対して結晶化度や官能基などさまざまな観点からアプローチすることによって何の物質かを特定していく作業に夢中になりました。
どんな研究に取り組みましたか?
なぜその研究に興味を持ちましたか?
生体吸収性セラミックスであるリン酸三カルシウムセラミックスを用いたチタン含有リン酸三カルシウムの作製に取り組みました。 チタンはとても安定した金属であり、生体適合性にも優れていることから医療用チタンは近年需要が増加しています。人工骨の材料としても使われるリン酸三カルシウムとチタンを合成することで、生体材料として今後さらに使用量が増加していくと考えたからです。



これまでの学びや研究を通して、成長したと感じるのはどんなことですか?
私たちの身の回りに起きる自然現象、例えば濃霧や雲が白いとか夕焼けの赤い色などを、なぜこの現象が起きるのか様々な観点から考えられるようになったことです。原理がわかってきたからだと思います。
内定先を志望した理由をお聞かせください。
公共交通機関などで社名のロゴを目にすることがあり、身近な生活に必要不可欠なものに関わる企業で働きたいと考えたからです。
将来の目標は何ですか。また、学んだことをどのように活かしていきたいですか?
無機材料、電子部品素材を開発・製造している会社なので、これまでの学びで得てきたもの、分析機器の操作方法、分析の知識、危険物取扱者(甲種)の資格などを活かして、高付加価値製品(表面の目に見えないような欠損を減らした、精度の高いガラスなど)の普及拡大に注力していきます。
大学・学科の魅力やメリット、高校生に勧めたい点を教えてください。
高校の化学科などで学んでいなくても、先生方が基礎から丁寧に教えてくださるので、幅広い分野の化学を学ぶことができます。学びたいという気持ちに応えてくれるところが本学科の魅力だと思います。



山下さんの
4年間の成長ストーリー
1年次
数学・物理で苦労する

工業高校で有機化学・無機化学の基礎は学んでいましたが、数学・物理は普通科の人と違って学んでいない部分も多く苦労しました。
2年次
計画的に課題に取り組む

大学ならではの専門的な授業が増え、課題やレポートに追われる日々でしたが、自分なりに計画的に進められる力が身につきました。
3年次
国家資格を取得!
就活も頑張る

危険物取扱者(甲種)試験に合格!就活では所属する生体無機化学研究室の先生の履歴書添削や面接練習が大きな支えになりました。
4年次
3年次までの単位修得が
功を奏す

チタン含有リン酸三カルシウムの作製をテーマに研究。3年次までに必要単位を修得したので、研究と就活に集中することができました。
Pick up Laboratory
生体無機化学研究室
准教授:内野 智裕
病気やけが等で失われた組織の修復に、人工材料による修復が求められています。本研究室では、主に骨や歯などの生体硬組織に焦点を当てています。 セラミックスを基軸に、金属、有機高分子を用い材料の表面形態や化合物の微構造(結晶構造)を分子レベルで制御することにより、生体組織と同等の機械的性質や、異物反応を示さない高い生物学的親和性を示す材料の設計を進めています。このような材料の設計開発は、再生医療工学の基盤技術として期待されています。
研究室紹介HPはこちらから
