令和4年2月24~25日の2日間にわたってオンライン開催された電子情報通信学会の衛星通信研究会と宇宙・航行エレクトロニクス研究会の併催研究会において修士2年生の山中 英さんが以下のタイトルで発表を行いました。
「無人航空機を用いたユーザ位置検出システムにおけるドップラーシフト多重観測を行う周波数オフセット補償手法の特性評価」
あらまし
無人航空機システム(UAS: Unmanned Aircraft System)では,高度150~1,000mの上空を無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicles)が時速40~100km/hで高速飛行することを想定していることから,中継機能を搭載したUAV-地上端末間の送受信信号の搬送波周波数にはドップラーシフトが生じる.このドップラーシフトを複数のUAVに対して同時に,もしくは1機のUAVに対して複数の時刻で観測し,UAVの位置情報を利用することにより,地上のユーザの位置検出が可能となる.これまで,ユーザ端末に内蔵される周波数発振器によって発生する周波数オフセットをユーザ端末の位置検出と同時に推定・補償可能であることを報告した.
本研究では,ユーザ端末から送信されるトーン信号に含まれる周波数オフセットとユーザ位置検出を最小二乗法により同時に推定する手法において,新たにドップラーシフトを異なる時刻に2回測定する手法を提案するとともに,同手法における測位精度の改善効果について明らかにしている.さらに,同手法において十分な測位精度が得られる条件についても検討したため,その結果を報告する.
発表ではUAVの飛行モデルや測定回数を増やすことの効果などについて質問を受け、聴講者から興味を抱いていただけたものと思われます。今後もこのテーマについて研究を継続する予定です。