ロハスな住環境をコンピュータで再現する見える化システムの研究が優秀講演論文表彰に

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―優秀講演論文表彰おめでとうございます。受賞の感想をお聞かせください。

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―発表された論文の内容について詳しくお話いただけますか。

%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%ab%96%e6%96%87%e8%a1%a8%e5%bd%b02012image006 論文題目は「再生可能エネルギ駆動型LOHAS環境エミュレータ エネルギ収支見える化システムの試作」です。サステナブルシステム研究室では、再生可能エネルギ駆動型の住環境を一つの「機械システム」と捉えて研究しています。そこで、理論と実際の融合をねらって「ロハスの家3号」の24分の1の模型を用いたエミュレータ・システムを開発しました。ソーラーパネルを備えた住宅モデル(600×340×260㎜)で、蓄エネ用のコンデンサを備える電気自動車モデル、風力発電用の風車、日照計と照度計などが設置されています。PCやモバイル端末で各設備のエネルギ状態を常にチェックでき、そのデータを1つのパソコン%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%ab%96%e6%96%87%e8%a1%a8%e5%bd%b02012image008に集約し可視化できるシステムになっていていることが大きな特徴です。計測システムと環境情報サーバ、見える化システムから構成されている、このエミュレータ・システムを構築したのが研究の第一段階でした。この講演では、これらを協調して用いることで、住宅モデルにおけるエネルギ収支を「見える化」することを目的としました。

 

―研究からどのような成果が得られましたか。

%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%ab%96%e6%96%87%e8%a1%a8%e5%bd%b02012image012 「見える化」システムについては、拡張現実(AR)を用いてユーザにわかりやすく提示するシステムを提案しました。実際に住宅モデルのソーラーパネルでの発電量、電気自動車に蓄電された電力量とそのときの照度などをセンサで計測、その情報はコンピュータネットワークを介して処理し、逐次環境情報サーバにアップロードされます。見える化システムによって、表示対象を認識し、それぞれのセンサ情報を表示対象物の位置に提示することができました。どのように再生可能エネルギが採集され、使用されているのかがオンラインでわかるので、ユーザの節電への意識を高めるのにも効果的です。まさに、ロハス的な技術と言えるでしょう。

 

―どのような点が評価されたと思われますか。

%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%ab%96%e6%96%87%e8%a1%a8%e5%bd%b02012image010 まず、再生可能エネルギがどのように採集されるか、そしてどう使用されるかを住宅モデルに実装したことが評価されたと思います。近年、製品開発にかかる時間の短縮や費用の削減が求められているため、こうしたミニチュアモデルを使って、1日の消費電力や室内環境を加速して数値化できる実験は、有効的な方法であると考えられます。製品自体だけでなく、製造工程においても、環境に配慮したロハス的なシステムが必要であるというわけです。

 

―今後の目標についてお聞かせください。

 単に実験装置を小さくするだけでなく、熱や光、空気の物性についてもミニチュアに合わせた%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%ab%96%e6%96%87%e8%a1%a8%e5%bd%b02012image014環境に設定しなければ、実際の数値を求めることはできません。今後は、どのような数学的計算が必要なのかを分析し、加速実験を実現することを目指します。また、家全体ではなく一つの部屋をモデルとして、どんな人にも快適な空間になるような空調システムについても研究したいと考えています。
 ビジョンはたくさんあります。一つひとつのビジョンを実現するために研究できることは、大変魅力的なこと。学生諸君にも、夢をもって学んでほしいと思います。

 

―ありがとうございました。今後ますますのご活躍を期待しています。

 

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