廃棄物を出さないメタン発酵発電システム

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 生命応用化学科の平山和雄教授(写真右)は、地元企業との共同で、移動式小型発電設備「バイオマスステーション」を開発しました。福島県では、2040年を目途に県内エネルギー需要量の100%相当を再生可能エネルギーで生み出すことを目標に掲げています。そのため、工学部でも太陽光・風力・地中熱、そしてバイオマスを使った再生可能エネルギーの研究を積極的に進めています。平山教授に、開発したバイオマスステーションについて詳しくお話を伺いました。

バイオマスステーションの画期的な仕組みとは

2013%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3image004 バイオマスとは生物有機資源のことです。原料となる生物有機物資源の野菜・食品くずといった家庭の生ごみや農業廃棄物をステーション本体内の発酵槽に入れて粉砕し、発酵させることによりメタンガスを発生させます。これを燃料にエンジンを動かして発電する仕組みになっています。全長10m、12,000リットルのコンテナには粉砕機や加水分解装置、発電装置を設置。メタンガス発酵と発電の一元化を実現しました。残渣を1か月に1,500kg処理した場合、100㎥のメタンガスを生成することができます。発電量は約320kwhで、発電効率29%程度を想定しています。
 また、発酵過程で出た消化液は循環システム本体でろ過し、きれいな循環水にしてステーション本体に戻し再利用。ろ過した後に残る残留物についても、ペレットに加工し燃料や肥料として活用するなど、ほとんど廃棄物を残さない画期的なシステムになっています。小型で移動が可能な点も大きな特徴です。

今後の展開と実用化に向けた期待

2013%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3image006福島県から開発費の助成を受け本年度から2年間、実用化に向けて、そして民間への技術移転を目指し、福島県川内村で実証実験を行う予定です。野菜・食品くずが大量に出るスーパーやホテル、農家、養護施設、福祉施設への導入や公園に設置して町単位で利用することも考えられます。福島県はバイオマスの宝庫であり、これまで未利用だった有機資源を有効活用していけば、再生可能エネルギーの普及も加速していくでしょう。また、メタン発酵過程で発生する水素を上手く制御すると、燃料電池で発電もできます。現在、実用化を目指して研究しているところです。

化学は地球環境を変えることもできる

2013%e3%83%90%e3%82%a4%e3%82%aa%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3image008 自分の設計したものを思い通りにつくることができるのが、化学の魅力。環境や生活を良くするためのものづくりや方法を生みだす力になります。化学・バイオ・材料を組み合わせたり、生物・薬学・農学と融合させることで、いろいろなものに応用できる可能性を秘めた分野であり、無限のチャンスが広がっています。私たちの研究によって地球環境を変えることもできるのです。学生の皆さんにも、そんな魅力溢れる化学の力で、地域社会や環境に貢献してほしいと思っています。

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