希望の星として輝けるエンジニアをめざして

2011%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%ae%e6%98%9f%e8%b3%9eimage002この度、大学院工学研究科機械工学専攻2年の竹田大介さんが、軽金属学会「軽金属希望の星賞」に輝きました。この学会は、軽金属に関する学術・技術の進歩発展を図り、工学の発展につくすことを目的とする学術団体です。軽金属希望の星賞は、軽金属の学業の向上発展を奨励し、軽金属の未来を担う人材の育成を目的として、年1回人格・学業ともに優秀な全国の学生の中から2030名に贈られるものです。東北支部からは1名のみが選出されます。竹田さんは、見事その1名に選ばれ、全国22名の希望の星賞の一人に名を連ねたのです。

竹田さんに喜びの声と取り組んできた研究についてお話を伺いました。

 

材料強度物性研究室の研究成果が実った受賞

―希望の星賞受賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

ありがとうございます。藤原先生や高木先生のご指導と歴代の先輩方の研究成果、そして後輩たちの協力があり、この名誉ある賞を受賞できたと思っています。

 

―取り組んできた研究について説明していただけますか。

2011%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%ae%e6%98%9f%e8%b3%9e%c2%9eimage004受賞の対象となったのは「LPSO構造型マグネシウム合金押出材の高温変形律速機構」の研究です。今までのマグネシウム合金とは違い、超微細なα相と長周期の変調構造を持つLPSO相からなる「LPSO構造型マグネシウム合金」は、軽量であり、電磁波を通しづらいことが特徴です。その反面、衝撃に弱いという欠点もあります。これを改良すれば、高温になる自動車のエンジン回りなどの部品にも利用できると期待されています。

九州大学等と共同研究を進めていて、試料は熊本大学で作製したものを使っています。試料を精密に切りだし、エメリー研磨などで形状を整えます。不活性ガス炉で熱処理し、電解液に浸けて表面がピカピカになった試料の特性について、押込みクリープ試験機を使って評価しました。

 

―こちらが押込みクリープ試験機ですね。

 2011%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%ae%e6%98%9f%e8%b3%9e%c2%9eimage006はい。クリープとは、材料に力を加えると、時間の経過とともに変形が増大する現象のことです。材料の力学的性質を調べるために、引っ張りや曲げなどの力学試験を行いますが、この試験機では、高温で圧縮荷重を加えた時のクリープ特性を測定できます。米粒ほどの小さな試験片でも実験できる ことが大きなメリットで、コスト削減、省エネにもなります。
 実は、この押込みクリープ試験機は藤原研究室で開発されたものであり
、ある測定機メーカーで製品化されていて、2000年に国内大学のTLO(技術移転機関)を通じた技術移転第1号となりました。その後、改良が続けられ、新型の試験機ではさらに測定精度が高くなっています。マグネシウム合金のような酸化しやすい材料でも測定できるようになり、様々な新材料の高温力学特性を幅広く調べることができます。 

 

―研究の結果はどうでしたか。

2011%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%ae%e6%98%9f%e8%b3%9e%c2%9eimage008実験の結果は、教科書に載っているようなクリープの理論がそのまま適用できないことを示していました。全く性質の異なる二相の変形が複雑に影響し合うためです。理論解析と有限要素シミュレーションを行い、この二相合金の変形メカニズムを考察しました。

 

―研究の魅力と今後の抱負についてはお聞かせください。

 2011%e5%b9%b4%e5%ba%a6%e5%b8%8c%e6%9c%9b%e3%81%ae%e6%98%9f%e8%b3%9e%c2%9eimage010研究すれば成果が得られるとは限りません。でも、研究していく過程の中で、今までにない発想や考え方を身につけることができます。技術的にも人間的にも成長できたと実感できることが研究の魅力です。もともと物理や数学が好きで、それを一番活用できるのは機械工学だと思っていました。大学院に進学したのは、卒業研究が面白かったことはもちろんですが、もっと自分自身を鍛えたいという思いからです。受賞したことで、自分にとっても大きな自信になりました。

この賞に恥じないように、実社会に出てからも評価される仕事をしていきたいと思っています。

 

―ありがとうございました。卒業後も活躍されることを期待しています。

 

材料強度物性研究室はこちら