医療機器を題材としたプログラムを通して
リーダーに必要な素質を身につける

 機械工学専攻2年(当時機械工学専攻1年)の中嶋一雅さんは、平成30年6月から平成31年3月に行われた「第三期福島県医療関連産業高度人材育成プログラム 高度研究開発者ビジネスコース(MBLコース)」に参加しました。これは、ふくしまを牽引するメディカルビジネスリーダー(MBL)の育成を図るために、これまで福島県が築き上げてきた医療機器産業の集積を活かし、学生や若手社会人の段階から、医療機器を題材としたプログラムを通して、起業家や開発責任者といったリーダーに必要な素質を身につけるプログラムです。様々な医療セミナーや医療現場の視察に加え、SVJU(シリコンバレー・ジャパン・ユニバーシティ)への短期留学もあり、医療と医療機器に関する基礎知識を学びながら、開発や事業化に必要な実務ついても学びます。
 プログラムを体験した中嶋さんに、どんなことを学んだのか、詳しくお話を聞きました。

将来を担うMBLとして新しいモノづくりに挑戦し海外での経験を積む

―まず、このプログラムを受講した理由を聞かせてください。

 このプログラムのことは、指導教員の片岡則之先生から教えていただきました。現在、生体機能工学研究室でバイオメディカルに関する研究に取り組んでおり、医療機器に興味があったことや、自分自身の成長につながるのではと思ったことが参加を決めた理由です。

―プログラムの詳細について説明いただけますか。

 医療機器開発を題材としたトレーニングを通し、将来を担うメディカルビジネスリーダー(MBL)を養成することを目的としたプログラムです。昨年6月に開講し、今年の3月9日の閉講式までの間に、共同研究(メディカルビジネスラーニング)、医療機器基礎知識セミナー、開発・事業化実務セミナー、医療現場研修、短期留学、メディカルクリエーションふくしまでの中間発表などを体験しました。セミナーで医療や医療機器に関する知識や事業開発に必要な知識を学ぶとともに、実際に病院を訪問し医療現場の課題を探りました。それらをもとに、新しい医療機器の開発を目指して、3人1組でチームを作り共同研究を進めていきました。この医療機器開発は大変面白い体験でした。私のチームが考えたのは、尿検査を簡略化するためのシステムです。検査部のスタッフが手作業で行っているため、患者の待ち時間が長いことが現場での課題となっています。そこで、簡単に採尿できる新しい容器を提案しました。いろいろ試行錯誤を重ねて試作品をつくり、「メディカルクリエーションふくしま」のランチョンセミナーで発表。聴講頂いた方々の投票により、「Medical Business Learning大賞」に選ばれたのは、とても嬉しかったです。その時の意見を参考に改良したものを製品化に向けて検討しているところです。また、シリコンバレーへの短期留学では、現地で活躍されている様々な起業家のお話を聞いたり、スタンフォード大学やメンロー大学、NASA のVasper、Googleのビジターセンターなどを見学したり、日本では味わえない世界を体感しました。自分たちで考えた新しいビジネスプランを発表する場もあり、大変充実した研修でした。

薬を使わず予防や治療ができる
高齢者のための新しい医療機器を開発したい

―プログラムを通してどんなことを学びましたか。

 新しい医療機器の試作をしていく中で、シンプルなものほどつくるのが難しいことに気づかされました。何も無いところから何かを生み出すのも容易なことではなく、ものづくりの大変さ、難しさを実感しました。また、研修の中ではディスカッションすることが多かったので、自分の考えや意見を相手に伝える力が身につきました。積極的に意見を言えるようになったのも成長の証です。また、社会人の方の知識や大学では学べない考え方や行動についても勉強することができ、大変刺激になりました。これら全てが自分の成長につながっていくものであり、これから社会人になった時に、大いに役立つものだと思っています。そして、将来は医療機器に関する知識を活かして、薬を使わず予防や治療ができる高齢者のための新しい医療機器を開発することができたらと考えています。

―後輩たちにメッセージをお願いします。

 大学の授業だけでなく、社会経験を積むことが大事です。大学生のうちに体験できるセミナーやプログラムに積極的に参加してほしいと思います。コミュニケーション能力を培えることはもちろん、新たな自分を発見できるかもしれません。新商品を考え、それを発表することはなかなかない機会です。自ら行動し、是非ともそのチャンスを掴んでください。

―ありがとうございました。今後の益々活躍されることを期待しています。

 

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