メタン発酵による発電システムを促進する

人工湿地による排水処理の研究が評価される


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10()に行われた第2回日本水環境学会東北支部研究発表会において、土木工学科4年の畠山涼麻さんが奨励賞を受賞しました。本研究発表会は平成25年度を第1回とする(公社)日本水環境学会の支部大会に位置づけられる学術発表会です。奨励賞は口頭発表の優劣に加えて発表者と研究テーマの将来性を評価して授賞される賞で、本年度大学院生と学部生を分けて審査が実施され、畠山さんは学部生部門での受賞でした。

畠山さんに受賞の喜びと発表した『メタン発酵消化液を処理する重層型人工湿地の運転方法の検討』について詳しくお話を聞きました。

 


 

―奨励賞受賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

 ありがとうございます。学外で発表するのは初めてのことで、大変緊張しました。質疑応答で思いもよらない質問がきてしまい、上手く答えられない場面もありましたが、全体を通して見れば練習の成果もあって、まずまずの発表だったと思います。他大学や企業と共同で研究を進めている、文部科学省H26nihonmizukankyo_image002『東北マリンサイエンス拠点形成事業』の研究テーマの一つとして取り組んでいるので、研究の将来性も評価されたとしたら大変嬉しく思いますし、頑張ってきた甲斐もあります。震災復興に貢献できる新たな方策としての証明にもなったのではないでしょうか。

 

―研究について詳しく説明していただけますか。

私たち環境生態工学研究室では、散水ろ床と植栽浄化を組み合わせた新しい水質浄化手法である人工湿地の研究に取り組んでいます。今回は、メタン発酵消化液を処理する新たな人工湿地の最適な運転方法の確立を目指した研究の成果について発表しました。これは、宮城県塩釜市にある水産加工工場から出る魚くずや廃棄物を使用したメタン発酵による発電システム開発を促進させるための研究です。畜産で出る排水を利用して発電するシステH26nihonmizukanky_image003ムはありますが、魚くずを使ったメタン発酵による発電システムは世界で初めてのこと。しかし窒素の値が高くアンモニアの阻害もあるため、一般の下水より排液処理が困難でコストもかかるというデメリットがあります。せっかく発電できても、処理するために多くの電力を使ってしまっては意味がありません。そこで電力を使わず労力もかからない浄化手法である人工湿地が適用されることになったのです。また、現場の敷地面積が狭いことを考慮し、従来の鉛直流型人工湿地ではなく、空気層を導入した重層型人工湿地という新しい手法を考案しました。地下構造を重層化することで面積の不足分を賄うことができます。この新たな人工湿地の浄化効率を高H26nihonmizukankyo_image004めるための運転方法について検討しました。

 

―どんな研究成果が得られましたか。

 運転方法について次の3つの実験を行いました。

1巡のみで循環させない 

1巡させたのち、集水枡4に溜まった処理水を集水枡1に返送し2巡させる 

1巡させたのち、集水枡4に溜まった有機物とバイオガス廃液を集水枡1で混合し24時間滞留させる

 結果、有機物の値を示すCOD(化学的酸素要求量)とTP(全リン)はどの方法でもほぼ除去されました。TN(全窒素)の除去については③の方法が有効でしたが、まだ改善の必要があります。今後は③の滞留の状態で2巡させる方法を実験したいと考えています。

 

―研究の魅力はどんなところですか。

H26nihonmizukankyo_image005 2年の頃から人工湿地の研究に興味を持ち、研究してみたいと思っていました。特にこのプロジェクトは、私の地元である宮城県の復興に役立つということもあり、研究へのモチベーションにもつながっています。現地に行ってサンプルを採取し研究室で分析を行うのですが、いかに早く正確にできるかが重要なポイントで、そこが大変だった点でもあります。しかし、いろいろな方法を実践するなかで、結果が目に見えてわかるのが面白くてやりがいを感じました。思わぬ発見ができるところも研究の魅力です。

 

―将来の夢や目標をお聞かせください。

 防衛施設の建設・運用と地域社会や住民の生活環境の維持に努める防衛省・地方防衛局に就職が決まりました。これからは、4年間学んで培った土木工学の知識を発揮して、国民の皆さんが安全安心に生活できる国づくりに貢献していきたいと思います。

 

―ありがとうございました。卒業後のご活躍を心より祈念いたします。