日本セラミックス協会秋季シンポジウムで5年連続優秀発表賞を受賞

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 これで、奈良さんが所属する機能性材料研究室は、5年連続受賞の快挙を成し遂げました。奈良さんの喜びの声と発表した研究についてお話を聞きました。

 

―おめでとうございます。受賞した感想をお聞かせください。

 ありがとうございます。受賞したときはとても驚いて舞い上がっていました。研究室の5年連続受賞もかかっていましたし、先輩が築いた伝統を次につなぐことができて本当によかったです。自分自身も大学に進学したときからずっと、何か成果を残したいと思っていたので、念願が叶い大変嬉しく思っています。指導教員の西出先生や先輩方のおかげでもあります。

 

―発表されたのはどのような研究ですか。

「超親水性アルミナ薄膜の高温溶媒処理による形態変化」という研究です。ここで用いている超親水性アルミナ薄膜は、世界で初めて私たちの研究室で創ったものです。だから、その薄膜は超2012%e3%82%bb%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage0042012%e3%82%bb%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage006親水性以外に、どのような物性を示すのか、不明なところが多くあります。そこで、その物性解明の研究の一環として取り組み、高温の溶媒で処理すると、形態と物性がどのような変化をするのかを研究したのです。

 

―研究内容について詳しくお聞かせください。

2012%e3%82%bb%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage008  超親水性アルミナ薄膜を種々の溶媒や化学薬品で処理して、表面形態と表面物性の変化を調べました。薄膜の表面は鋸歯状になっていて、水がよく濡れるのはそれが要因と考えられています。この薄膜を純水で加熱処理しても、形態も物性も変化しませんでした。ところが、撥水剤で処理すると形態も物性も変わり、トルエンのような非極性溶媒では表面形態は変わらないのに、物性だけ変化するという実験結果が得られました。「これは面白い!」と思いその要因を探りました。それぞれの溶媒に2012%e3%82%bb%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%b9%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%9eimage010よって水の溶解度の違いが影響しているのではと考えました。水はアルコールに溶けても、トルエンには溶けないと思っていたからです。しかし、トルエンでも少量だけ溶けることが分かりました。トルエンが水を溶かして、アルミナ表面の科学吸着水を脱水したため、超親水性がなくなったのではないかと考えました。そこで表面構造を解析してみると、やはり表面の化学吸着水が減少したことが分かったのです。トルエンは低温でも表面の物性を変化させることが可能であるという結果から、今後はトルエンを化学吸着水の脱水剤として利用できると考えられます。
 こうした実験結果を物性・分析結果・別方向からの検証という3つの観点から多角的に証明したことが評価につながったのだと思います。

 

―研究の魅力はどんなところですか。

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―後輩たちにメッセージをお願いします。

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―ありがとうございました。今後の活躍も期待しています。