地盤防災工学研究室から2名受賞の快挙

 今年3月に土木工学科を卒業した後藤直紀さんと水巻隼人さんが、平成29年度土木学会東北支部研究奨励賞を受賞しました。この賞は36才未満を対象に、当該年度の東北支部技術研究発表会において、優れた研究成果を発表した論文発表者に贈られるものです。本年度の受賞者は8名。企業の若手研究者や大学院生が受賞する中で、同じ地盤防災工学研究室から2名の学部生が受賞したことは快挙であり、大変価値があります。
 受賞した研究について紹介するとともに、後藤さんからのメッセージをお届けします。

土木学会東北支部研究奨励賞 

 

受賞者:水巻 隼人さん 『ふとんかごを用いた屋外盛土実験による排水効果の評価』

 近年、豪雨で盛土が崩壊する被害が多発しています。その対策として盛土内の水位低下を期待し、法尻部にふとんかご工が数多く施工されています。本研究では、境界条件を明確にした屋外土槽に対策・無対策盛土(下の写真)を作製し、土中の体積含水率を計測することで、降雨によるそれらの変動傾向と空間分布の推移を分析しました。ここで得られた研究成果は、盛土の排水効果を高める方法を考える上で有益な知見を与えるものであり、その点が高く評価されました。

 

受賞者:後藤 直紀さん 『液状化試験後の残留せん断ひずみが再圧密体積ひずみに及ぼす影響』

 近年頻発する大地震では、液状化による地盤の残留変形による構造物の被害が発生しています。一方、設計実務では性能設計が普及し、地盤の残留変形予測も行われていますが、非線形性の強い現象であり定量評価の精度が課題となっています。本研究では室内要素実験を実施し、中空ねじりせん断試験装置を使って液状化後の沈下(再圧密体積ひずみ)に及ぼす水平変位(残留せん断ひずみ)の影響を定量的に評価しました。これらの知見は、液状化の影響を考慮する性能設計の精度向上に資するものであり、その点が高く評価されました。

後藤さんからのメッセージ(平成29年度土木工学科卒業 東海旅客鉄道株式会社就職)

 卒業して時間が経っていたので、受賞の知らせを受けた時は実感がなかったのですが、一つの分野で選ばれるのは一人だと聞き、大変光栄なことだと思っています。研究していた当時を振り返ると、試行錯誤していたことが思い出されます。この研究は過去の事例が少なく難しい実験でした。それでも、成果が得られた時はやって良かったと思いました。口頭発表の際も、地盤系の先生方から面白い研究だと興味を持っていただき嬉しかったです。そして研究奨励賞まで受賞できて、研究した甲斐がありました。高度なテーマに挑戦させてくださった指導教員の仙頭紀明先生のおかげであり、深く感謝しています。
 もともとは公務員を志望して土木工学科に進学しましたが、3年次に体験したインターンシップで惹かれたのは鉄道関係の仕事でした。同じ研究室の先輩がJR東海に就職していて、同社の学内説明会の時に話を聞き、自分もここで働きたいと思いました。希望を叶えることができたのは、面接での受け答えが評価されたからだと思います。公務員試験対策講座の面接対策が役立ちました。また、社会人になって思うのは、大学で学んだことがそのまま反映されるということ。だから、単位を取るためではなく、自分の力になるように勉強することが大事になります。特に土木の専門分野の様々な知識は、基礎としてしっかり身につけておくと良いでしょう。私の将来の目標は、鉄道の高架化に貢献することです。これからも人々の安全安定輸送に努めてまいります。