新しい技術の開発と研究成果が高く評価される

2012%e5%9c%9f%e6%9c%a8%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%b3%9eimage002 平成24年9月5日(水)~7日(金)に開催された公益社団法人土木学会の平成24年度全国大会第67回年次学術講演会において、土木工学専攻博士課程2年の前島拓さんが優秀講演者賞を受賞しました。前島さんに発表した研究の内容と研究の魅力についてお話を聞きました。

 

 

―優秀講演賞おめでとうございます。感想をお聞かせください。

2012%e5%9c%9f%e6%9c%a8%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%b3%9eimage004 ありがとうございます。賞を取れたのは初めてのことでしたから、素直にとても嬉しかったです。この研究に携わって3年。ご指導いただいた先生方や一緒に研究してくれた卒研生たちのおかげであり、みんなで頑張った成果だと思っています。

 

―発表した研究について詳しくお話いただけますか。

 受賞した講演の内容は「水張り環境における膨張材併用軽量RC床版の疲労耐久性評価」です。膨張材併用軽量RC床版というのは、コンクリート工学研究室と首都高速道路株式会社が共 2012%e5%9c%9f%e6%9c%a8%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%b3%9eimage006同開発した新しいRC床版です。コンクリートは固まるときに縮むという性質があります。それを抑制するために使用されるのが膨張材です。膨張しようとするコンクリートが拘束を受けた状態で固まると高強度になることが研究によりわかっています。また、一般的に軽量骨材の強度は低いとされていますが、骨材自体が軽いので支える土台も軽くできコストダウンにつながるだけでなく、地震の影響も受けにくいというメリットがあります。そこで、膨張材を入れたコンクリートと軽量骨材を併用することで、強度を補いコスト削減になる新しいRC床版を開発したのです。実際に膨張材併用軽量RC床版を使って疲労耐久性を調べた実験結果について、今回発表しました。

 

―どのような実験を行ったのですか。

 通常のRC床版は水の影響を受けると乾燥した状態より壊れやすいことが今までの実験でわかっています。膨張材併用軽量RC床版の場合はどうなのか、普通の状態と上面に水張りした状態にして疲労耐久実験を行いました。環境保全・共生共同研究センターにある走行荷重試験装置は、大規模な実験ができる日本に数台しかない貴重な装置。これを使って実際の道路と同じように、RC床版に1日10時間、2年間で1,000万回ほどの荷重をかけて、疲労度のデータを取り続202%e5%9c%9f%e6%9c%a8%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%b3%9eimage008けました。やはり、水を張った場合は壊れやすいという結果でしたが、通常のRC版よりも疲労耐久性は高いということがわかりました。また、通常は砂利化といってRC床版のコンクリート部分がひび割れし破壊されますが、膨張材併用軽量RC床版はコンクリートと骨材が同時にひび割れを起こしていました。今までにない破壊形態でした。

 

―どのようなところがこの研究の魅力ですか。

 受賞できたのも、コスト削減につながる膨張材と軽量骨材を併用した新しいRC床版ということと、これだけ時間のかかる大規模な実験でより精度の高い検証結果が得られたことが評価され2012%e5%9c%9f%e6%9c%a8%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e5%84%aa%e7%a7%80%e8%ac%9b%e6%bc%94%e8%b3%9eimage010たからだと思います。企業の技術者と同じ立場で研究を行い新しい技術を開発できることや、実際に社会に役立つ技術を提供できることが魅力であり、やりがいでもあります。予測を立てて実験し、結果を踏まえてさらに実験を重ねながら、もっとよい成果・技術の向上を目指していく―。このゴールのないところが面白いと思っています。
 今後は実際の施工を想定したRC床版で実験し、より耐久性の高い床版の開発を目指します。

 

―ありがとうございました。今後のますますの活躍を期待しています。

 

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