地球温暖化対策に貢献する研究成果発表に高い評価

2013%e7%ac%ac45%e5%9b%9e%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%a4%a7%e4%bc%9aimage002 平成25年9月16~18日に岡山大学で開催された化学工学会第45回秋季大会のシンポジウム<次世代技術を担う最新の基礎物性研究>において、日本大学大学院工学研究科物質化学工学専攻博士前期課程2年の遠藤康裕さんが、優秀学生講演賞を受賞しました。研究に対する姿勢やアプローチ法、発表の構成や内容の理解度などについて各審査員が採点した結果、数名の受賞者が選ばれます。中でも、遠藤さんは審査員から高い評価を得ての受賞となりました。
 遠藤さんの講演題目は、「グライム-スルホン酸リチウム塩溶液の密度・粘度・二酸化炭素溶解度」。現在、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)と共同で研究を行っている、「最先端・次世代研究開発支援プログラム」の成果によるものです。
 遠藤さんの喜びの声とともに、研究内容について詳しく紹介いたします。

 

CO2を吸収するイオン液体の開発とその性能評価に関する研究

地球温暖化対策技術の一つとして、二酸化炭素を分離回収し隔離・貯留する技術開発が進められています。しかし、現状の技術では、火力発電所等の大規模固定排出源から排出されるCO22013%e7%ac%ac45%e5%9b%9e%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%a4%a7%e4%bc%9aimage004選択的に分離吸収する液体を再生するためのコストが掛かり過ぎる点が問題となっています。環境化学工学研究室では、室温程度で駆動可能なガス吸収液(イオン液体)を合成し、ガス溶解メカニズムを解明するとともに、推算モデルからガス吸収効果を明らかにし、低コスト型温室効果ガス吸収プロセスの構築を目指しています。イオン液体を利用しCO2を回収する方法は、温度、圧力変化のみの簡便な操作でプロセスを構築できることが大きな特長です。また、再生により回収されるCO2も、常圧ガスとしてではなく、隔離・貯留に有利な液化炭酸あるいは任意の高圧状態のCO2として回収できます。したがって、ガス吸収液再生に多大なエネルギーを要する従来技術と比較し、エネルギーコストの大幅な2013%e7%ac%ac45%e5%9b%9e%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%a4%a7%e4%bc%9aimage006削減が可能なのです。本研究室には、この研究のために開発した世界に1台しかない日本大学工学部オリジナルの装置「イオン液体・二酸化炭素吸収実験装置」があります。この装置を使って、溶媒にさまざまな物質を添加してCO2吸収液をつくり、その性能評価に関する研究を進める中で、この度、優れた吸収特性を示す溶液を見出しました。今後はエンジニアリング的な検証を重ねて、実用化に繋げていくことが目標です。

 

■■■■■ 遠藤康裕さんの喜びの声 ■■■■■

 この研究に力を注いできた結果、このような賞をいただけたことを大変嬉しく思います。大学院生になり、学会などで他大学や企業の方々の前で研究を発表する機会が増え、その度いろいろな指摘やアドバイスをいただきました。自分の研究の強みや弱みを踏まえ、指摘されたことを克2013%e7%ac%ac45%e5%9b%9e%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%a4%a7%e4%bc%9aimage008服しながら、ブラッシュアップしてきたことが評価につながったのだと思います。今回も企業の方から、今後ステップアップするためのアドバイスをいただきました。かなり実用化に近いところまできていることも実感できました。
 世界規模の問題をターゲットに取り組んでいけるのは、大変やりがいがあり、それが高いモチベーションにも繋がっています。今後の目標は、吸収効率の高い吸収液を開発すること。そして、化学プロセスを精密にモデル化するためのプロセスシミュレーションを行い、プラントでの実用化を目指します。

2013%e7%ac%ac45%e5%9b%9e%e5%8c%96%e5%ad%a6%e5%b7%a5%e5%ad%a6%e4%bc%9a%e7%a7%8b%e5%ad%a3%e5%a4%a7%e4%bc%9aimage010環境化学工学研究室はこちら

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