質の高い競技会に挑み佳作と特別協賛賞を受賞

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image002 公益社団法人土木学会景観・デザイン委員会等が主催する「景観開花。」のコンペが行われ、建築学科浦部智義研究室のメンバー5人で提案した作品「壁と生きる通り~3つの壁による防潮堤との付き合い方~」が、佳作と特別企業協賛賞を受賞しました。「景観開花。」は、様々な土木構造物をテーマに据え、大学・大学院等に籍をおく学生及び経験年数5年以下の社会人を対象に行われているコンペです。今年のテーマは「未来へつなぐ防潮堤デザイン」。防潮堤の新しい可能性を引き出すデザインを提案することを条件に、実在の場所を対象地とし、防潮堤や防潮堤周辺及び街全体との関わりを含めた独自の案とすることなどが求められました。一次審査会で図面・模型審査を行い、入賞5作品を選出。さらに入賞作品代表者のプレゼンテーションによる公開最終審査会を行い、その結果、最優秀賞等各賞が決定されます。土木分野の参加者が多い中で、建築分野から参戦した本グループは入賞作品に選ばれ、12月8日(土) 、東北大学青葉山キャンパスでの公開最終審査会に臨みました。

土木と建築の融合を目指して

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image004 昨年も応募し特別協賛賞を受賞した建築学専攻博士課程1年の佐久間皓惟さんと研究生の近藤拓馬さんは二人で組むことにし、後輩たちも勉強になるだろうと、4年生の阿部慎也さん、3年生の樋口卓史さん、佐藤伸哉さんにも参加してもらうことにしました。企画立案だけでなく、A1サイズのプレゼンテーションボードの作成、1×1×1㎥内の模型製作が必要となる大掛かりなコンぺ。それぞれ役割を分担し、構想1週間、製作1週間という短期間で仕上げました。そして、昨年辿りつけなかった公開最終審査会の切符を手に入れたのです。  作品プレゼンボード(PDF)

 

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image006 プレゼンテーションは6分の発表時間と14分の審査員の質疑応答で行われました。5組のうち本グループは最後に登場。
 対象地に選んだ宮城県気仙沼市は、漁港として栄え、海と街のメインストリートを中心にイベントが行われていましたが、東日本大震災で多くの人が津波の被害に遭い、海が遠い存在となってしまいました。こうしたことを踏まえ、津波から町を守るということを前提条件とし、最高15mの高さの防潮堤を「まち」と「海」の間に湾を取り囲むように配置。3本2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image008の防潮堤を街と海の境目に並べ、流されてしまった街のメインストリートの機能と漁港の機能を含んだ巨大壁(防潮堤)に面した通りをつくりました。防潮堤が町の一部として日常的に利用されることで、街からも海からもつながる「壁と生きる通り」を提案したのです。
 敢えて“強固な壁”をつくったところが、この提案の最大のポイント。住民に意識させると同時に恐怖を取り除くと2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image010いう意図もあります。「土木と建築をどうつなげるか、また震災後のコンペなのでどこまでリアリティを追求するかなど難しいテーマ」と言うように、プレゼンテーションでも審査員の厳しい指摘を受け行き詰る場面もありました。総評では、模型の完成度に関しては高い評価でしたが、防潮堤というハードで防ぐと同時に暮らし方などソフトの提案もあればよかったという意見や建築よりの提案がほしかったなどの意見もありました。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image0162012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image012 最優秀賞には手が届きませんでしたが、見事佳作と特別企業協賛賞を受賞。受賞式では、悔しさを滲ませながらも、この場に立てた喜びを胸に笑顔で賞状を手にしていました。

 表彰式後には審査員と代表者によるトークセッションが行われました。このような貴重な機会は他のコンペではなかなかありません。参加した近藤拓馬さんは、審査員の「新しい日常を創る2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image014ことが大事」だという意見に共感し、「環境と風景、土木と建築をどう融合させるかが課題だ」と自分の考えを述べました。

 このコンペを通してさまざまなことを学んだ学生たち。それぞれの思いを語ってくれました。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image018建築学専攻1年 佐久間皓惟さん
 昨年は、先輩の意見を聞きながら無我夢中で作品をつくり、特別協賛賞を受賞しましたが、今年は引っ張っていく立場での成果ですので、違った喜びがあります。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image019研究生 近藤拓馬さん
 他大学の学生や先生、企業などさまざまな分野の方と交流できて大変有意義でした。土木も建築も隔たりはない。学ぶことが多く参加して良かったと思います。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image020建築学科4年 阿部慎也さん
 審査員の空気をどう読むかどう訴えるかプレゼンの難しさを経験できました。建築物を介して人と人、人と環境が繋がり合える環境が大事だと思います。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image021建築学科3年 樋口卓史さん
 相手にどのように訴求すれば良いか改めて意識しました。建築は答えがない。だから追い続けられるものだと感じました。

2012%e6%99%af%e8%a6%b3%e9%96%8b%e8%8a%b1%e3%80%82%ef%bc%99image022建築学科3年 佐藤伸哉さん
 今回学んだのは、発表するための資料づくりも大事だということ。建物の使われ方やメリットが発見できるのが建築の魅力だと思います。

 今後も他のコンペも含めて色々と挑戦して技術を磨き、よりご活躍されることを期待しています。