古民家の新たな利用法を提案した『つながる屋根つなぐ人』優秀賞受賞
『「これからの浜屋敷」~古民家を生かしたこれからのまちづくり事業提案~』において、建築学科4年の遠藤一成さん(左)と山本彰記さん(右)の作品『つながる屋根つなぐ人』がアイデア部門の優秀賞を受賞しました。このコンペは大阪府にある吹田歴史文化まちづくりセンター(通称浜屋敷)開館10年記念事業の一環として行われたものです。アイデア部門は、将来的に開催可能な企画提案や新たな方向性を感じさせるコンセプト提案した110作品あまりの中から、最優秀賞1案、優秀賞2案、佳作4案が選ばれました。江戸時代の住宅を修復保存し、まちづくりの拠点施設として活用されている浜屋敷。この施設の新しい使い方や方向性について、二人は次のような提案を行いました。
【コンセプト】
浜屋敷はイベントの場として多くの人を集めている。これからの浜屋敷、吹田市がさらに繁栄するには浜屋敷の歴史的価値を再認識し、日頃から市民も集まれるオープンスペースとなることが求められている。そこで市民が日常的に管理・利用できるようなプログラムを提案する。これにより浜屋敷がより様々な人やイベントに彩られ、さらに活性化するだろう。
【スローガン】
- 花や緑を創出するオープンスペース
- 歴史的価値を再認識し伝える
- 市民参加型の運営
緑の屋根をつくるための材料は全て既製品にし、ローコストで施工性も簡易になることで、子どもから大人までがセルフビルドできるようにしました。また必要に応じて移動、解体も速やかに行えるので、用途に合わせた様々な利用の仕方も考えられます。
緑の屋根の水やりなどの日々の管理は市民も行うようにするほか、植物の育つ過程を子どもたちが学習したり、歴史的体験をしたり、日常的に浜屋敷に触れられる機会を設けました。また、新たに市民が気軽に参加できるイベントやコラボレーションできる既存のイベントを考案。今ある浜屋敷の良さを壊さず、溶け込ませるような企画や方向性を提示しました。
現状を詳しく調べて把握したうえで、市民が気軽に参加できるイベントや実現可能なアイデアを提案したことが評価され、今回の受賞につながりました。
【受賞の感想】
- 遠藤一成さん
二人でまとめていく難しさや提出期間内に仕上げる大変さを学びました。表彰式に参加し、他大学の人とも話ができ新しいつながりが生まれたことは大きな収穫です。
それぞれ建築物にはコンセプトやアイデアがある。そうしたものを見て触れることで、ますます建築の面白さが分かってきました。
- 山本彰記さん
ユーザーである市民審査員の方に評価してもらえたことを大変嬉しく思います。皆さんの前でプレゼンできたこともよい機会となりました。記念式典に参加させていただき、普段接点のない大阪の人たちと交流できたことも自分にとって良い経験でした。
建築は、何もないところから周辺条件を読み取って、自分の考えで一つのオリジナルのものを作りあげていく楽しさがあります。このコンペでその醍醐味を味わうことができました。
今後の目標について…
最優秀賞ではないということは、まだまだ自分たちには足りないものがあるということ。これに満足することなく、もっとよいものを創っていけるよう視野を広げて感性を磨いていきたいと思っています。また、コンペに挑戦し、次こそは“最高峰”を目指します。