工学研究所

工学研究所長ご挨拶

工学部長 出村 克宣

自然環境に恵まれた郡山に拠点を置く工学部は、以前から自然との共生、地球環境に配慮した技術開発の重要性を認識しながら研究に取り組んでまいりました。そうした工学部の理念が、「ロハス」の考え方と合致していたことから、1999年より「ロハス工学」を教育・研究のキーワードに掲げ、その具現化を目的とした研究施設や実験設備を設置し、最先端の研究が進められる環境を整えました。
人々の健康を支える医療工学の研究拠点となる次世代工学技術研究センター、持続可能な社会実現のためのインフラを支える環境保全・共生共同研究センター、そして再生可能エネルギー利用と水の自給自足を目指すロハスの家。これらを中心に多種多様な研究活動を進めていく中で、2011年3月、東日本大震災が発生し、さらには福島県第一原発事故によって、我々は様々な課題に直面することになります。

地域の復興のために、我々にできることは何か―。

研究者たちはそれぞれの立場から社会の要請に応えようと奔走しました。我々の持つ技術力への期待も高まり、研究活動はさらに活発化していきました。そこで工学部では、地域との連携を強固にし、財産である技術と人材を積極的に還元することを目的に、福島県内の各市町村との連携協定を結びました。それにより、地域の中で実践的な研究が繰り広げられ、その成果が実装されようとしています。

ロハス工学に立脚した一連の教育・研究活動は、『心身とともに健康な“ひと”』、『自立共生の“家”』、『活力ある“地域社会”』『安全・安心な“インフラ”』、『美しい“自然”と豊かな“環境”』の実現を目指すものです。そして、社会の要請に応えるエンジニアを育成することも、工学部に課せられた大きな役割だと考えます。未来を支える新たな技術と人材を生み出し、社会に貢献できるよう、これからも教職員一丸となって研究活動に尽力してまいります。

工学研究所長 出村 克宣 略歴(プロフィール)

日本大学大学院工学研究科博士後期課程建築学専攻修了。工学博士。1982年4月に日本大学助手となり、専任講師、助教授を経て、2000年4月同教授となる。2008年4月より工学部長。専門は建築材料学・コンクリート工学。
所属学会
日本材料学会、日本コンクリート工学会、日本建築学会など
受賞歴
平成21年度日本コンクリート工学協会賞(功労賞)など

 

工学研究所の概要

日本大学工学部工学研究所は、昭和48年に、工学に関する学術・技術の研究を行うことを目的に設立されました。これらの目的を達成するために、工学研究所では以下の事業を行っています。

●工学に関する基礎・応用の研究及び調査
●学術研究助成金等に基づく研究プロジェクトの実施
●所員が個別に行う研究への助成
●委託研究及び共同研究の実施
●紀要、機関誌等その他必要な出版物の刊行
●総合研究の実施
●研究資料の収集、処理及び保管
●研究会及び講演会の開催

日本大学本部においては、研究の活性化を目的として、平成11年より研究委員会が創立されました。それに伴い、各学部にも研究委員会が設置され、研究戦略、研究計画等が本格的に議論され、実行されてきました。

工学部においても、平成11年より、工学部に設置された研究委員会を中心として、工学部の研究基盤の拡充を図っており、現在は、研究委員会を中心として、「ロハス」をキーワードとした研究計画の策定を行っています。

工学部の研究の更なる充実、発展に向けて、企業や公官庁、あるいは他大学など、学部の枠を超えた人々との連携を深めながら実社会に役立つさまざまな分野の研究活動に取り組んでいます。

研究方針

地球温暖化による気候変動、化石燃料の枯渇化の到来といった背景により、私たちの暮らしを支える環境、エネルギーが危機的状況に陥りつつあります。こうした地球的課題への配慮には、社会生活の根幹からの見直しが必要となり、「ロハス」(LOHAS、Lifestyles Of Health And Sustainability=健康で持続可能な様々な生活スタイル)が注目されています。

日本大学工学部では、いち早くこの概念を学部の教育・研究方針に取り込み、「ロハス工学」をキーワードに、様々な教育・研究・広報戦略活動を展開してきました。これを受けて工学研究所では、「学生のため」、「地域のため」、「郡山からの知の発信」をスローガンに掲げ、学生が情熱を持って研究に取り組み、誇りを持って社会に巣立つこと、地域の産業・行政・市民と連携して成果を生み、これを地域社会に還元することにより地域の活力向上につなげること、郡山の地から、国内・国外に誇れる独創的かつ実用的な成果を発信し続けることを目標に研究を展開しています。

こうした目標の実現のため、工学研究所内に「人の健康に役立つ医用機器や医療診断機器の開発に取組む、我が国初のバイオメディカル工学の研究拠点(次世代工学技術研究センター)」、「持続的発展可能な“循環型環境共生社会の創成”を目標に、地域における環境保全のあり方を提示するとともに、各専門分野の研究を通じて地球環境問題の解決を目指す研究拠点(環境保全共生・共同研究センター)」、及び、「被災地域復興と持続可能な社会の実現に貢献する研究および活動を行う研究拠点(ふるさと創生支援センター)」を設立し、「ロハス工学」の確立を目指した研究を推進しています。

また、新たにエネルギー自立型ハウスすなわち「ロハスの家」の研究にも着手しています。「ロハスの家」は風力・太陽光・地中熱を活用して冷暖房や照明を賄い、また、高断熱・遮断建材や高気密構造などの建築の先端技術を駆使することで、“入力電線のない”画期的な住環境を目指すものです。

日本大学工学部ではこれまで、これらの研究施設を駆使し、独創的かつ国内外から高い評価を受けた研究成果を生み出してきました。今後は、これらの施設および研究者の分野横断的な連携・融合を図るとともに、産学官民の連携を強化することで、ロハスな人間社会・地域社会の実現を目指し、「ロハス工学」の一大研究拠点として、学生と共に、地域と共に、郡山の地から、知の発信を続けてまいります。

ロハス工学とは

組織構成

研究施設

最先端の設備を整えた研究施設では、それぞれ独自のテーマに基づいた研究や技術開発を行っています。

次世代工学技術研究センター

人の健康に役立つ医療機器や医療診断機器の開発研究に取り組んでいます。日本大学工学部が世界に誇る我が国初のバイオメディカル工学(Biomedical Engineering)の研究拠点であり、世界トップレベルの研究実績をあげています。

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環境保全・共生共同研究センター

持続的発展可能な「循環型環境共生社会の創生」を目標に、地域における環境保全のあり方を提示するとともに、各専門分野の研究を通じて地球環境問題の解決をめざしています。

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ふるさと創生支援センター

被災地域復興と持続可能な社会の実現に貢献する研究および活動を行うことを目的としています。

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ロハスの家

「健康で持続可能な生活スタイル」を支える住環境づくりのための「家の要素技術と設計基準の確立」を目指し、ロハスの家1号では「熱エネルギーと電気エネルギーの自給自足」、2号では「太陽熱の効率的な遮熱・断熱・蓄熱」、3号ではそれらに加えて「水の自給自足」を目標に研究を進めています。ロハスの花壇では自然の浄化作用を活用した排水浄化、地中熱センターでは地中に蓄えられた太陽熱の有効利用の研究を進めています。

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イベント

産・学・官連携フォーラム

地域社会や地域産業の活性化をめざし、工学研究所が主催している「産・学・官連携フォーラム」。毎年さまざまなテーマを設け、講演やパネルディスカッションなどを行っています。また、地域企業や行政機関、大学との友好を深め、さらに発展的な連携を図ることをめざしています。

第19回産・学・官連携フォーラム

『先に進む企業のためのロボット』

● 日時
平成30年11月21日(水) 13:30~
● 場所
日本大学工学部50周年記念館(ハットNE)大講堂

第19回産・学・官連携フォーラムの詳細はこちら

※過去のフォーラムについては下記をご覧ください。
過去の「産学官連携フォーラム」を見る

市民公開『ロハスの工学シンポジウム』

東日本大震災と原発事故からの復興を目指し、2012年3月から毎年、市民公開シンポジウムとして「ロハスの工学シンポジウム」を開催しています。シンポジウムを通して、“健康で持続可能な社会”を実現させるためにどうすればよいのかを、市民とともに考えます。

第8回ロハスの工学シンポジウム


『ロハスの工学のこれまでを振返り、これからを考える』

● 日時
平成31年2月23日(土) 13:00~
● 場所
日本大学工学部50周年記念館(ハットNE)大講堂

第8回ロハスの工学シンポジウムの詳細はこちら

※過去のシンポジウムについては下記をご覧ください。
過去の市民公開「ロハスの工学シンポジウム」を見る

刊行物

「日本大学工学部紀要」は、本学部専任教職員およびこれに準ずる非常勤講師の研究論文を掲載しています。年2回(9月・3月)発行で、一般の方にも頒布しています。

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