地域に貢献する取り組みに50社以上の企業が賛同
ロハスの池プロジェクトにも注目が集まる
6月7日(土)、工学部の学生・教員・卒業生と古川池愛護会および協力企業による徳定川・古川池清掃活動が行われました。この活動は、キャンパス内を流れる徳定川の水環境保全を目的に、土木工学科の学生・教員が中心となって始めたもので、今年で26年目を迎えます。10年ほど前から、キャンパス周辺の4町内会で結成された古川池(徳定川)愛護会(会長:髙橋晋也氏/平晋建設(株)代表取締役)を主体とする住民との協働で行われるようになり、それ以降は徳定川の下流に位置する古川池での清掃も実施しています。
その活動を発展させたロハス工学センタープロジェクト「古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(リーダー:土木工学科 手塚公裕准教授)」は、より良い古川池の姿を求めるというミッション遂行のために、平成8年に提出された郡山浪漫回廊計画(案)の実現を目指して、古川池の治水対策や環境整備に関する研究活動を行っています。第1期「古川池を知る」、第2期「理想の姿を考える」を経て、本年度からは第3期「効果を検証する」に入りました。一昨年度より近隣の高校の生徒も参加するなど、産官学民が協働で行う大きな取り組みに発展しています。
この日、県内外から多くの卒業生が清掃活動に参加することから、午前中には初の試みとなる『学生×卒業生 就活トーク交流会』を開催。幅広い年代の卒業生約80名が集まり、これから就活を控える後輩たちに業界や企業についてリアルな話をしながら、悩みや相談に応えてもらいました。参加した学生たちはいろいろな企業を回って話を聞くとともに、先輩方から貴重なアドバイスをもらっていました。




午後から行われた清掃には学生約130名、教員9名、日大東北高校理科部の生徒10名、教員1名、卒業生と協力企業の方々約190名、そして古川池愛護会の方々を含む、これまでの最多となる約400名が参加。郡山出身の衆議院議員 根本拓氏も駆けつけるなど、市民活動としても大きな注目を集めています。清掃は7つのエリアに分かれ、土木工学科の環境生態工学研究室と水環境システム研究室の学生が分担して各エリアのリーダーを務め、ごみの収集作業にあたりました。












天候にも恵まれ、1時間半ほどの清掃で汗を流した後は古川池愛護会の皆さんと工学部有志から提供された豚汁を味わっていただきました。その後、学生食堂に移動し、『学生×企業 懇親会』を行いました。
会に先立ち、徳定川・古川池清掃に長年尽力されている工学部校友会の髙橋健二副会長から校友会についての紹介、根本拓代議士からは清掃活動に参加した感想などをいただきました。
また、土木工学科の卒業生であり、教員として退職されるまで後輩たちの指導にあたられた髙橋迪夫名誉教授の瑞宝小綬章受章を祝して、サッカー部の学生たちから花束贈呈が行われました。会場には祝福の拍手が響きわたり、髙橋先生の栄誉を称えました。髙橋名誉教授にはサッカー部のOB会長として、現在も後輩たちを支援していただいております。
企業との距離も近い、就職に強い工学部ならではの交流会
懇親会には50社以上の企業の方々が参加され、学生も学部1年生から大学院生まで幅広い年代が集まりました。直接お話を聞ける絶好の機会ということで、スタート直後は緊張している様子も見られましたが、ざっくばらんな雰囲気の中で会話が進むと、学生から積極的に業界の話や仕事内容、就職先を選ぶポイントなど、知りたいことをどんどん質問していました。通常の会社説明会などでは聞けないような企業の裏話や本音も飛び出し、互いの距離を縮める交流の場になったようです。卒業生の先輩も多く参加し母校を懐かしむとともに、後輩たちの将来を気遣い親身にアドバイスしている姿も見られました。学生たちも自分が実際に働く姿を想像しながら、将来の道を模索しているようでした。








参加した学生からは、「初めて清掃活動に参加して、川の中からたくさんのゴミを回収でき達成感がありました」、「企業さんとの交流も初めは緊張しましたが、いろいろ話ができて楽しかったです」、「周りの人よりも一歩先に就職のことが知れる機会になると思って参加しました」、「作業着に協賛してくださった企業さんと話すことができ、より一層感謝の気持ちが強くなりました」「この体験を将来に繋げていきたいと思います」、「いろんな企業さんと触れあえて、将来の選択肢も広がりました」、「自然体で話ができたのは良かったです」、「土木はやはり就職に強いなと思いました」、「就職だけでなく、社会人としての心構えなどもアドバイスいただけました」、「どの企業さんも社会や人のために役立つことを行っているので、自分もそこに携われたらいいなと思います」など、それぞれ有意義な体験になっているようでした。
参加企業の方からも、「学生さんとフランクに話す中で、どんな考えや意見を持っているのかを知り、企業としても大変勉強になりました。他にはない貴重な交流の機会。改めて日本大学工学部のつながりの強さを感じ、これからも大切にしていきたいと思いました」 「楽しく歓談しながら、会社のいいところも悪いところも伝えられたので、社会人になってからのギャップも埋めることができたと思います」と好評で、秋の陣にも参加したいとの多くの声が寄せられました。
最後に、司会の手塚准教授より、工学部の近況報告と、大学と卒業生がより良い協力体制を築き、学生たちが充実した学生生活を送れるキャンパスにしたいという想いが伝えられました。

閉会の挨拶では、この清掃活動への参加が20回目となった古川池愛護会の髙橋会長が、日本大学の卒業生として、諸先輩方や後輩たち、ご参加いただいた企業の今後の活躍とロハスの池プロジェクトの発展を祈念し、一丁締めで締めくくりました。

ご参加いただいた皆さま大変ありがとうございました。今後も取り組みの輪を広げていき、古川池の環境保全と地域貢献に努めてまいります。次回『秋の陣』へ、多くの学生や卒業生の皆さん、地域や企業の方々のご参加をお待ちしています。