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古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト令和6年度中間報告会を実施しました

ロハスの池プロジェクトを推進する学生たちの研究活動を軸に地域連携の輪が広がる

 11月19日(火)、5412教室にて、『古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト(ロハスの池プロジェクト)中間報告会』が行われました。ロハスの池プロジェクトでは、古川池に適した水環境の創出を目指して、地域住民(古川池愛護会等)、行政(郡山市)、企業の産学官民連携で活動を推進しています。本年度から日本大学東北高等学校理科部の生徒も参加。活動の輪が広がっています。現在、プロジェクトリーダーの手塚公裕准教授を中心に、土木工学科教員10名、建築学科教員1名、機械工学科教員1名と古川池愛護会のメンバー3名、アドバイザーとしてコンサルタント4名を含めたメンバーで構成され、水量・水質・底質・植生・親水性を評価する研究を行うほか、それぞれの専門分野を活かして環境整備の検討を進めています。中間報告会には地域住民の方々にもご参加いただき、工学部の学生たちが各研究室で行っている調査研究の状況や、プロジェクトメンバーが各専門分野の研究についてなどの説明を行いました。

日大東北高校理科部の生徒もロハスの池プロジェクトの研究成果を報告

 手塚准教授がプロジェクトの概要について説明した後、卒業研究生や大学院生が現在進めている研究の状況について報告しました。また、今年7月に行った古川池魚類調査の状況について、陸奥テックコンサルタント株式会社からご報告いただきました。

【古川池の定期調査による水質と親水性の評価】
水環境システム研究室:青木優真さん、飯田涼介さん

【植生浮島と遮光による古川池第2池の水質改善の試み】
環境生態工学研究室:木村晃章さん

【浮島に植栽した園芸作物の収穫による栄養塩の取り出し量の評価】
環境生態工学研究室:渡邊航基さん

【古川池産のロハスな空心菜の試験販売】
起業サークル:菅原由騎さん

【改修による古川池の流動環境の変化】
沿岸環境研究室:佐藤竣一さん、助川来美さん

【徳定川と古川池の濁度の変動に関する現地観測】
環境水工学研究室:菅沼勇希さん、鈴木冴將さん

【古川池に架ける木橋の選定と基準】
橋梁工学研究室:石川璃史さん、西澤渓介さん

【環境DNA調査による古川池の魚類相】
PJメンバー:橋本正志氏(陸奥テックコンサルタント)

【課外講座「ロハスの池プロジェクト」活動報告】
ロハスの水環境サークル:青木康徳さん、青木優汰さん、安達颯さん、五十嵐颯飛さん、池田盛隆さん、遠藤大希さん、菊島秀哉さん、澁谷健太さん、嶋田光さん、鈴木歩武さん、塙直樹さん、山崎空さん

【古川池の水質改善について】
日大東北高校理科部:池上寧々さん、志田薫さん、生田莉子さん

土木工学科の研究者や学外プロジェクトメンバーからの情報提供や提案も

 次に、学内のプロジェクトメンバーによる報告を行いました。【総括・水環境】担当の手塚先生からはロハスの池プロジェクトのロゴマークの策定および企業協賛による作業着製作、近隣高校との新たな連携の紹介とともに、豪雨時の雨水を工学部グラウンドに貯留するシステムの構築に向け、企業と協力した調査がスタートしたことも報告しました。【水質浄化】担当の中野和典教授は、起業サークルや研究室で進めている空心菜を使った植生浮島の効果や高校への環境教育の普及など実践的な取り組みを紹介、【治水】担当の金山進教授は、改修による古川池の流動環境の変化についての補足説明および治水・親水効果に関する情報提供、【環境水理】担当の梅田信教授は古川池の濁度の問題にフォーカスした話題提供、【整備・維持管理】担当の仙頭紀明教授は古川池の土砂の問題から改良土について紹介しました。



 学外メンバーである古川池愛護会・事務局長の畠良一氏、同事務局の山根悟氏、アドバイザーの牧乃瀨統氏(オリジナル設計株式会社)と安藤和哉氏(東建土質測量設計株式会社)からは、報告を受けての所感や研究へのアドバイス、話題提供などがあり、今後の研究への期待の言葉もいただきました。また、郡山市建設部の宗形彰久部長からもコメントをいただき、行政の立場として治水対策を重視しつつ環境整備・管理の課題解決に向け、大学と協力しながらよりよい環境づくりを目指していきたいという思いを伝えてくださいました。

 最後に、古川池愛護会会長の髙橋晋也氏がまとめとして、研究報告をした学生たちへの労いの言葉とともに、産学官民で魅力的なまちづくりに取り組んでいくことによって工学部で学びたいという学生も増えるのではと示唆しました。その上で、古川池の親水公園化へ向けた熱い思いと決意を示し、参加者への協力を呼びかけました。



 報告会で初めて発表した課外講座の学生たちは、「スライド作成や伝え方などプレゼンテーションの勉強になりました」、「今後、古川池の植生浮島の研究に携わるかもしれないので、先輩方の発表が大変ためになりました」など、それぞれ収穫があったようで、今後の活動に意欲を見せていました。


 これからも産官学民の連携を深めながら、研究活動を推進し、ロハスの池プロジェクトを通して地域社会への貢献を目指していきます。この場をお借りして、報告会にご参加いただきました皆様に御礼申し上げます。

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