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ロハス工学センター棟(ロハスの森「ホール」)のプレオープンイベントが行われました

「ロハス工学」の研究成果を結集させた新たな拠点

 5月26日(日)、オープンキャンパスの開催に合わせて、ロハス工学センター棟のプレオープンイベントが行われました。

 当日はプレオープニングセレモニーに先立ち、報道関係各社への説明と内覧会、VR体験会を開催。
 はじめに、工学研究所長である岩城一郎教授よりセンター棟建築に至る経緯について説明がありました。

 日本大学工学部では教育・研究のテーマとして掲げるロハス工学を実証する場として、2008年より『ロハスの家研究プロジェクト』を立ち上げ、ロハスの家1号・2号・3号を設置しました。岩城教授は、これまでSDGsに先んじて礎を築いてきたロハス工学や学科横断的に取り組んできたさまざまな研究活動について解説。2019年台風19号でキャンパスは被災し、更地となったこの場所に新たな命を吹き込むべく『ロハスの家群跡地再生プロジェクト』を始動させてきたことなどを伝えました。

 続いて建築学科の浦部智義教授より、ロハス工学センター棟建築に関わる技術的な説明や今後の展望が語られました。郡山の気象を考慮した弓形のデザインが特徴的な建物には、各所にロハス工学の研究成果と実証試験設備が盛り込まれています。建物のカギとなるのは、県産の無垢材を縦に並べてパネルにする『縦ログ構法』。この壁とレンガ製の床による蓄熱効果を検証していきます。遮熱効果と室内温度低下を目的として、屋根の上には四季を彩る植栽を設置。温度が安定している地下水を熱源として地中熱と太陽熱を活用した水蓄熱空調システムによる温熱環境の実証実験も行われます。



 南会津の広葉樹を使用して製作した椅子や木目が印象的な机は学生が企画段階から参加して検討を進めたものです。『ロハスの家群跡地再生プロジェクト』では、教職員と学生が協働でワークショップを行い、アイデアを出し合いながら、ロハス工学の新たな拠点づくりを目指してきました。建築のスタディとして3Dモデリング作業や模型作りなど敷地内における建築計画も含め、「ロハス工学や教育的観点からも学生自身が使用する施設の構築に携わることは意義深い」と浦部教授は述べました。

 建築設計や施工に関しては技術力の高い福島県内の各企業に協力いただきながら、産学連携で進められていることも大きな特徴です。今後、工房棟の建設にも着手する予定で、浦部教授は「キャンパスの“へそ”部分ともいえる場所にこの建物が設置されることで、キャンパス内の人の流れを変え、溜りを広げる役割を果たすことが期待できるでしょう」と示唆していました。



 内覧会では土木工学科の中野和典教授から屋上緑化に関する説明、機械工学科の宮岡大専任講師から蓄熱などエネルギーについての説明もあり、このホールがロハス工学を具現化していることをより深くご理解いただきました。VR体験会でご覧いただいた映像では、ロハス工学センター棟の活用の様子だけでなく、ランドスケープ、工房棟の整備など本研究が目指す将来像も紹介。体験した方々は、その光景に引き込まれているようでした。

 学生や教職員の研究・教育・会議、そして憩いの場となるような多目的スペースとして構築を進めてきたロハス工学センター棟。プレオープニングセレモニーでは、根本修克工学部長よりロハス工学センター棟の構築に携わった関係者への感謝の言葉とともに、愛称『ロハスの森「ホール」』が宣言されました。今後、新たなロハス工学の拠点として、地域社会に貢献できる研究成果を発信していくことを明言しました。

さらに広がる、ロハスの森へ

 オープニングセレモニー終了後は一般開放され、訪れた学生やオープンキャンパスの来場者は木の温もりや香りを感じながら、ロハス工学の技術の一端に触れていました。



 今後『ロハスの森』エリアは学生、企業、地域住民の方々の交流や展示会、見学会、ワークショップなどで活用するために整備を進める予定です。『ロハスの森「ホール」』周辺には工房棟(スタジオ)や棚田、池などを設けてロハスエリアのランドスケープを整備し、2026(令和8)年春に『ロハスの森』のグランドオープンを目指します。VR体験会でご覧いただいた将来像が現実となり、ロハス工学でつくられる人と地球に優しい『ロハスの森』が広がっていくことに期待も高まっています。