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建築学科3年生を対象とする大和ハウス工業『2021夏インターンシップ』が行われました

大手企業での貴重な実務体験が大きな成長につながる

大和ハウス工業株式会社福島支社にて、日本大学工学部建築学科3年生を対象とした『2021夏インターンシップ』が、8月23日(月)から9月5日(日)まで行われました。昨年も多くの学生を受け入れていただきましたが、今年は4つのコースで実務体験実習を中心とした5日間の研修が組まれ、住宅設計に2名、集合住宅設計に2名、住宅工事に3名、建築工事に3名が参加。建築学科ではインターンシップを単位として取得できることから、この機会を活用して10日間の長期研修に臨む学生もいました。コロナ禍の影響でインターンシップを取りやめる会社や、1日あるいはオンラインのみで実施する会社もある中で、現場での体験ができることは大変貴重です。学生にとっては業界や企業について情報が得られる大きなチャンスでもあります。

施工管理を体験し、仕事のやりがいを感じる

初日はオリエンテーションがあり、会社概要や沿革についての説明がありました。午後からは各コースに分かれて、本格的な研修が始まりました。建築工事では、引き渡し間近の建設現場での実務体験が行われました。散水試験などの施主検査前の建物の確認作業を学んだり、図面の一部を見て必要なコンクリート量やコストを計算するなど、大学の授業では学ぶことのできない施工管理の仕事を体験。一つのミスが大きな損失になることがわかり、施工管理の責任の重さを実感しました。単位取得を目指し、長期研修に臨んだ佐川了さんは、「将来どの道に進むべきか決断するために、まずは建設現場を体験してみることにしました。授業でも施工の仕事について学び理解しているつもりでしたが、やはり百聞は一見に如かず。予算の管理や職人さんとのやりとりなど、業務を遂行する上で何が大事かを実践的に学ぶことができ、大変勉強になりました。施工管理は直接建物に関われるので、やりがいを感じられる仕事だと思います」と話しており、経験を通して様々なことを学びとっていたようです。施工管理を志望している髙橋寛翔さんは、「人との接し方、コミュニケーションの取り方を学びました。自分の考えを上手く伝えられるように、スキルアップしていきたい」と意欲を見せていました。高嶋貫太郎さんは「大手企業で5日間職業体験できたことは自信につながり、就活の時のアドバンテージにもなると思います」と手ごたえを感じているようです。現場でご指導いただいた福島工事課の関根龍一さんは、「検査の段取りなどを勉強してもらいましたが、気遣いができていて感心しました。体験を通して施工管理の仕事に興味を持ってもらえたらと思っています。私たちがつくる建物は、一つとして同じものはありません。何が正解かわからない中で答えを追求していく醍醐味があり、それが施工管理の面白さとも言えます。ぜひ味わってほしいですね」と激励の言葉をいただきました。

右から高嶋貫太郎さん、佐川了さん、髙橋寛翔さん、福島工事課の関根龍一さん

住宅工事コースに参加した野澤龍八さん(左)、槻木透碧さん(中)、松岡郁弥さん(左)。着工時の地縄張り検査から、基礎工事中の基礎コンクリート打設検査、引渡し前の竣工検査まで、住宅工事の大まかな流れを体験しました。工事途中の現場の状況を見られたのは貴重な経験で、図面だけではわからない、距離感やスケール感を実際に見て理解することができたようです。施工管理志望の槻木さんは、「何もないところに大きな建物を築いていく仕事はカッコイイと改めて感じました」と益々施工管理に惹かれていました。松岡さんは、「工事課の主任からいろいろ教えていただきましたが、知らないことばかりで、もっと勉強しなければと思いました」、野澤さんは、「自分で考えたものを形にできる仕事に魅力を感じます。実際に業務を体験してみると、自分の苦手な部分もわかりました」と話しており、仕事を選ぶ上での参考にもなったようです。

実践的な学びを通して、設計の知識を深める

設計志望の安藤夢華さん(左)と柳沼佳南子さん(右)は、実際の仕事を経験し知識を深めたいと考え、単位取得にもつながる住宅設計コースの長期研修に臨みました。住宅展示場を見学し、レクチャーを受けた後、住宅設計の課題に取り組みました。大学の課題とは違い、間取りや条件などが設定されており、短期間で完成させる点でも実践さながら緊張感がありました。展示場で実際のスケール感を体感していたことが、設計の参考にもなったようです。また、社員の方々と対話することができ、働き方や仕事の体験談、就活についてもアドバイスいただき、大変有意義だったと話しています。体験を通して、改めて建築の魅力を感じたという安藤さん。「設計する人によって、家も全く同じものにはならない。お客様の要望に応えながら、期待以上のものをつくれるかどうか、そこが建築の醍醐味だと思います。将来は人に感動を与えられるような建物をつくりたい」と話しています。柳沼さんは、職場の雰囲気や仕事の様子を見ることができ、よい経験になったと同時に、設計の知識をもっと蓄えなくてはという思いを強くする良い機会になったそうです。「安心して住める家、建てて良かったと感謝してもらえるような家をつくるのが夢です」と話しています。

集合住宅設計コースには、斎藤創さん(右)と白銀瑤子さん(左)が参加。授業では学んでいない集合住宅の設計に興味があったという二人は、初日から設計課題に挑戦しました。間取りだけでも、普段は5週間かけているところを5日で仕上げるとあって、黙々と図面に向かう日々を過ごしました。機能面を優先しながら、普段の授業ではあまり重視しない効率面も考えなければなりません。様々な制限がある中で悪戦苦闘しながらも、設計に取り組むことが楽しいという二人。展示場や建設途中の現場、引渡し前の完成した集合住宅の見学を通して、これまでの設計課題に入れていなかった設備関係も大事な要素だと実感したそうです。「一級建築士は責任のある仕事で、やりがいがあります。インターンでの体験から、この仕事に就きたいと強く思いました」と話す斎藤さん。「職場の方から、“楽しんで設計してね”とアドバイスをいただきました。これからもその気持ちを大切にしていきたいです」と話す白銀さん。それぞれ自分の将来像が少しずつ見えてきたようです。

先輩たちからの貴重な情報とアドバイスが聞ける座談会

5日目には、毎年実施していただいている座談会も行われました。参加いただいた7名の社員の方は、全員工学部の卒業生ということもあり、学生たちは緊張感もほぐれ、自分の知りたいことを率直に質問していました。まずは学生がそれぞれ自己紹介し、インターンシップに参加した理由などを伝えました。先輩方にも現在の部署や大学時代の所属研究室などについて自己紹介していただきました。その後、学生の質問を通して、会社や仕事について詳しくお話いただきました。「どの部署に力を入れているのか」、「部署間の連携や関わりはあるのか」、「ストック事業の展望は?」という質問には、それぞれの部署の仕事内容についての説明を交えながら、お答えいただきました。「資格の勉強と仕事の両立について」の質問には、取得までの道のりを詳しくお話いただきました。会社が資格取得を推奨されているので、勉強しやすい環境があり、皆さん入社後に様々な資格を取得されています。また、「学生時代にしておくべきことは?」の質問には、アルバイトやサークル活動でいろいろな人と関わること、長期休みのある学生のうちに海外旅行にいくことといったアドバイスをいただきました。「仕事で大変だったこと」などを聞かれると、対お客様、対職場、対職人さんなど、大変なことはいろいろある中で、やはりコミュニケーションを上手く取っていくことが大事だと諭されました。様々な部署や外部の人と関わりながら、互いに助け合って一つの物件を完成させていくのがものづくりの現場だというお話に、学生たちも真剣に耳を傾けていました。就活についてもアドバイスいただき、採用試験でのプレゼンテーションや即日設計の情報には、しっかりメモを取っていました。

学生たちは、実際に働いている先輩方の生の声を聞くことができ、大いに参考になったようです。また、先輩方を目標に、自分たちも頑張りたいと決意を新たにしていました。それぞれ大変実りの多い職場体験ができ、今後の就職活動にも活かされていくことと思います。この場をお借りしまして、懇切丁寧にご指導いただきました大和ハウス工業株式会社福島支社の皆様に厚く御礼申し上げます。