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建築学科令和3年度卒業設計展を開催しました

4年間の集大成となる卒業設計44作品から桜建賞が決定!

建築学科では、2月5日(土)・7日(月)・8日(火)に令和3年度卒業設計展を開催しました。会場となった70号館1階の講義室には44作品が展示され、多くの学生や教職員が足を運んでいました。8日には、学内審査で優秀作品に選ばれた13名の学生によるプレゼンテーションを実施。教員・講師等の審査員を前に、学生たちは4年間の集大成となる作品への思いや設計プランを発表しました。

学生ならではの視点や切り口で建築の新たな可能性を導きだす

ダイダラボッチの恩恵
―浜名湖の再考―
西澤 舜介さん

文教のかたち
―学びの多様化―
瀧田 駿さん

思いを継承する
―伝統とともに維持してゆくまち―
若井 渚愛さん

農落
―お茶を嗜む、これからの茶業の在り方―
朝比奈 登亜さん

布降る街、商いを導く知との邂逅 
―ファッション的な空間構成―
吉田 奈未さん

湯けむり広場
―草津温泉のまちづくりと建築―
齋藤 泰地さん

多文化共生建築
―増える移民とともに―
増子 匠さん

五徳を憶う
―湖畔の交流施設―
岡崎 楓花さん


―音と木―
伊藤 響介さん

商店街で暮らし学ぶ
―バス停・抜け道・柔軟性―
米山 俊也さん

天竜の旅路 
―文化をつなぐ川下り―
小原 烈さん

まちに燈る炎 
―窯跡から始まる土と人の風景の再構築―
山内 温友さん

桜建賞 『峠の集落 ―小さな建築の大きな役割―』

山口 和紀さん(建築計画研究室:指導教員/浦部智義教授)

この作品は、新潟県南魚沼市の集落にある小学校の一部改修・増築を行い、神社や棚田と接続して一体的な地域拠点を設計したものです。人口減少や高齢化といった深刻な問題を抱える中山間地域の課題解決を見据え、施設を個々の建築として完結させるのではなく、地域の諸問題を補完しながら拡張・接続し、人々の活動拠点として整備することで、持続可能な地域の在り方を提案しました。学内審査では、小学校に集落の維持・存続の方途を求めたのは有効であり、既存校舎のリノベーションは対象地の時空間への連続性が高まり建築プログラムへ深みをもたらすことに成功していると評価されました。又首構造のような形態の建物も棚田の景観に馴染んでいる点も好評でした。また、全体計画の完成度、パネルと模型の美しさ、卓越した説明など、傑出したプレゼンテーションも桜建賞につながる要因になったようです。受賞した山口さんに作品への思いなどをお聞きしました。

先生方のご指導があったからこそ完成した作品であり
学んできたことが凝縮された4年間の集大成です

卒業設計は、自分の地元を対象にしたテーマに取り組みたいと思っていました。中でも、建築が建ちそうにないところにチャレンジしたいと思い、南魚沼市の栃窪集落を選びました。ポイントは、既存の建物を活かしつつ、ひとつの箱に留まらない、エリアとしての地域拠点形成を目指したところです。栃窪に訪れた外部の人々と交流できる空間として、新たに棚田に建てた3つの教室棟とそれらを管理するための管理棟は、山並みに溶け込むように三角形のユニットを基盤にしました。住んでいる人も意識的にシームレスにつながっていくような動線によって、小さな建築群が一体的な活動拠点を形成しています。エリア計画に重点を置いた提案ができましたが、個々の建物の機能についての説明が足りなかったことが反省点として残りました。この作品をつくるにあたり、指導教員の浦部先生をはじめ、多くの先生方にご指導やアドバイスをいただきました。そのおかげで、今まで抱えていた課題を克服し、私らしい作品に仕上げることができたと思っています。自分一人の力ではできなかったと思いますし、4年間を振り返っても、いろいろな人に支えていただいて、恵まれた大学生活だったと感じています。その感謝の気持ちを込めた4年間の集大成の作品が桜建賞を受賞できたことによって、少しでもご恩に報いることができたとしたら幸いに存じます。また、目標としていた『JIA東北学生卒業設計コンクール2022』への出展が決まって、大変嬉しく思います。より完成度をあげて、全国大会に行けるように頑張りたいと思います。