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令和3年度『ロハスの池プロジェクト』の報告会を行いました

産学官民が一体となって持続可能な古川池の環境整備実現を目指す


3月8日(火)、工学部54号館5431教室(中講堂)にて、『令和3年度 古川池の持続可能な防災親水公園化プロジェクト~ロハスの池PJ~報告会』が行われました。報告会にはプロジェクトメンバーや学生のほか、古川池愛護会の方々、郡山市役所の職員の方々、技術士会福島県支部の方々、日本大学東北高校の生徒3名も参加しました。はじめに、プロジェクトリーダーの手塚公裕准教授がプロジェクトの概要について説明しました。本プロジェクトは古川池の環境整備や治水対策、親水性の向上を目的に、土木工学科の教員を中心に大学と地域住民が協力して課題解決に向けた取り組みを進めているプロジェクトです。学生たちも水質の調査研究を行いながら、プロジェクトに貢献しています。

研究活動に尽力した学生たちに住民の皆さまからも感謝の拍手が送られました

まず、卒業研究生が進めている調査研究について報告を行いました。

古川池における親水性の季節変動と導水が水質に及ぼす影響
水環境システム研究室:小野隼人さん、小野聖人さん

古川池の現地観測と培養試験による藻類増殖の制限因子の検討
水環境システム研究室:石井佑汰さん、加古英輔さん

 

植生浮島の面積が隔離水界内の水質に及ぼす効果の検証
環境生態工学研究室:高内聖文さん

隔離水界に設置した植生浮島の植物種が水質浄化に及ぼす影響

 

古川池における底質の有機物・放射性セシウムの鉛直分布
水環境システム研究室:杉山恵大さん

現地実験による池干し効果の評価
水環境システム研究室:松本隆和さん、新岡淳平さん

 

古川池の流動解析環境の整備
沿岸環境研究室:相川智英さん、伊藤唯人さん


 

学生は研究の成果や今後の課題などを報告するとともに、1年間の調査研究を振り返り、感想や思い出などについても述べました。会場からは、研究活動に奮闘した学生たちに大きな拍手が送られました。

土木工学科の研究者たちが各専門分野の技術を駆使して環境整備に挑む

続いて、学内のプロジェクトメンバーから今後の研究の方向性も含めた報告を行いました。

水質浄化班の中野和典教授は植生浮島の効果について報告。次年度に向けての抱負と新アイデアを紹介。

治水班の金山進教授は流動解析の進捗状況の報告と次年度の予定について説明。

 

治水班の朝岡良浩准教授は流出モデルを用いた阿武隈川の水位・流量予報システムの構築について説明。

整備・維持管理班の子田康弘教授は古川池の泥等を使った整備方法を検討し、親水公園整備を目指す。

 

地盤班の仙頭紀明教授は、ふとん籠を使って擁壁を補強することで古川池の環境と安全性の向上を目指す。

橋梁班の笠野英行准教授は、実際に橋をつくるために協力企業の参画を呼び掛けていきたいと述べる。

 

最後に、手塚准教授(写真左)が本プロジェクト全体の活動報告と令和4年度の活動予定について説明しました。本年度は研究活動のほか、清掃活動や土木女子の会の見学会を行いました。次年度はこうした実践活動を増やしていく中で、大学生・高校生・地域住民を対象とした見学会も実施する意向を示しました。さらに、植生浮島や池干しも実践しながら研究を進めていきたいと述べました。学外メンバーからは、事務局長の畠良一氏(写真右)が登壇され、古川池愛護会の設立とその経緯について説明しました。そして、愛護会の目指すSDGsについても紹介し、産学官民が協力し合って古川池を維持管理していきたいと話しました。

さらに、郡山市役所河川課の職員の方から、徳定川・古川池の整備対策の内容と今後の計画について説明していただきました。徳定川が流れる大学キャンパス内でも工事が予定されており、行政の具体的な河川改修、河道掘削等の浸水対策にも注目が集まりました。各種報告の後、会場の有識者の方からも意見や感想、貴重なアドバイスなどをいただき、有意義な意見交換の場となりました。

報告会のまとめとして、古川愛護会会長の髙橋晋也氏(右の写真)からご挨拶していただきました。高橋会長は、プロジェクトを通して地域住民と大学の交流が深まったことに触れ、「これからも継続していくことを切に願います」と述べ、報告会を閉会しました。
今回、高校のロハス探究授業の際に手塚准教授と交流したことをきっかけに、報告会に参加した高校生たちは、「とても勉強になりました。特に植生浮島に興味を持ちました。理科部でも研究してみたいと思います」と話し、ますますロハス探究への意欲を高めていました。
プロジェクトは始まったばかりですが、様々な交流の輪が広がっています。持続可能な環境整備の実現に向け、これからも産官学民一体となって活動を推進してまいります。