お知らせ

海外語学等研修体験談講演会を開催しました

語学力や国際感覚を養うことができる海外留学

 グローバル化が進む現代社会において、海外との交流が盛んになり、ビジネスの場も世界へと広がる中、今後益々、外国語でのコミュニケーション力が求められてきます。そこで工学部では、異文化に対する理解を深め、外国語でのコミュニケーション力を向上させるための様々な海外研修プログラムを実施しています。工学部国際交流委員会では、留学・国際交流を推奨し、学生にこうしたプログラムを大いに活用してもらうことを目的に、1月11日(土)、70号館7014講義室にて、『海外語学等研修体験談等の講演会』を開催しました。海外での研修を経験した学生が自らの体験を語る場で、会場には有益な情報を得ようと留学に興味のある学生らが多数集まりました。
 講演に先駆け、国際交流委員会委員長の岩城一郎教授がご挨拶され、「海外に行けるチャンスはたくさんある。学生のうちに経験すれば必ずプラスアルファになるので、自分にあったプログラムを選んでぜひ実行してほしい」と励ましの言葉をいただきました。今回は4名の海外研修体験者に加え、留学生や教員にも自身の海外経験を語っていただきました。

(左から関航矢さん、佐藤温起さん、SUMBUUNYAM SUNJIDMAAさん、安本果七子さん、高山眞樹さん)

 

TOEICの点数もアップ。海外研修の経験が就職活動にも役立ちました。        

 日本大学が全学生を対象に実施するイギリスのケンブリッジ大学での短期海外語学研修(サマースクール)に参加した情報工学科4年の高山眞樹さん。期間は約1か月間で、特別講義と語学講義から各1科目を選択できるSL2コースを受講しました。PA(プログラム・アシスタント)によるレクチャーやレクリエーションも用意され、ケンブリッジ大学内の博物館などの施設を見学したり、週末にはロンドンの観光名所を巡るフィールドトリップを体験。ボートに乗ったり、クリケットの試合を見たことが楽しい思い出になったそうです。また、町全体がお化け屋敷のようになるイベントもあり、日本では絶対にあり得ないことを体験ができたと語りました。帰国してからも勉強を続けた結果TOEICの点数が300点アップ、英会話力も向上。ケンブリッジ大学の学生や日本大学他学部の学生と交流を深めることができ、今も互いに励まし合うことがモチベーションにつながっているそうです。さらに、この経験は就職活動にも役立ったと話していました。

 

ものの見方が変わる。自分の意見を伝えることが大事だと感じました。         

 大学生のうちにいろいろなことに挑戦してみたいと思っていた土木工学科2年の安本果七子さんは、海外留学について総合教育の川﨑和基准教授に相談。ロンドンやタイの観光も兼ねて約1か月、イギリスウェールズのアパレストゥイス大学短期海外語学研修に参加しました。午前中は日常生活で使える会話、発音の勉強や観光案内所のインタビュー、学校紹介動画の制作のほか、カフェで友人と談話を楽しみました。午後は自分の興味のある授業を選択し、Old Collegeで学校や町の歴史について学んだり、ハイキングやケーキを作ったりしたそうです。週1回小旅行で観光したり、休日は現地で親しくなった友人と街にいくこともありました。成長したと思うのは英語のリスニング力とTOEICのスコアという安本さん。ものの見方が変わり、自分の意見を伝えることが大事だと感じるようになったそうです。もっとスムーズに自分の考えを伝えられるように勉強し、他の国にも行ってみたいと渡航への意欲を覗かせていました。

 

世界遺産など様々な建築物を観られたことが良かったです。             

 建築学科2年の佐藤温起さんは、海外の建築物を見たいと思い、工学部が実施する約2週間のヨーロッパ研修旅行に参加。パリではノートルダム寺院、エッフェル塔、ルーブル美術館などの観光名所の他、オプショナルツアーでベルサイユ宮殿を訪問。イタリアでは、コロッセオ、トレビの泉、サンマルコ広場などを見学。イタリアは料理も美味しかったそうです。スイスで印象に残っているのは、瀕死のライオン像。ドイツではノイシュバンシュタイン城、フランケンシュタイン城など古城を見ることが多かったとのこと。また、フランスの地下鉄、イタリアのカフェでちょっとしたトラブルも経験。食べ物とスリには気を付けた方がよいとアドバイスもされました。4か国を巡るヨーロッパ研修旅行では、学科学年問わず仲良くなれたこと、個人旅行と違い大人数で行くので安心感があること、建築学科なので様々な世界遺産を観られたことが良かったと話し、参加を呼び掛けていました。

 

海外のニーズに適応させることで、世界に通用にしている日本の技術。       

 土木工学科4年の関航矢さんが約2週間のタイ王国タマサート大学短期海外研修に参加した理由は、大学生のうちに海外に行ってみたかった、手頃な値段と期間で行ける、観光目的ではなく大学のグローバル人材育成プロジェクト研修の一環として行けるから。発展途上国というイメージのタイでしたが、首都バンコクは東京以上に都会で衝撃を受けたそうです。タマサート大学の授業では、タイ語ではなく英語を用いて英語を学習するスタイル。英語に自信がなく不安だった関さんも、段々と慣れていったと言います。また、アジア最大級の駅舎を建設中のタイ高架鉄道の現場や、デニム生地を販売している貝原、花王といった日本の企業も見学しました。土木工学科の朝岡良浩准教授とタマサート大学のチャパリット教授の英語でのワークショップを聴けたのも貴重な経験。海外のニーズに適応させることで、日本の技術が世界に通用していることも学んだと話しています。 

 

将来、母国に貢献するために、自分の可能性を広げキャリアアップを図りたい。

 留学生による母国紹介では、建築学専攻博士前期課程1年 SUMBUUNYAM SUNJIDMAAさんが、出身地のモンゴル国について詳しく紹介しました。最初に自身のプロフィールやなぜ日本に来たのかを説明。SUNJIDMAAさんは、語学や異文化を学び、高度な教育を受けることで自分の可能性を広げ、キャリアアップを図 るとともに、将来母国に貢献したいと言う思いから留学を決意したそうです。モンゴルの風土については、山や草原、砂漠などの自然が豊かで、夏は暑く冬はマイナス30℃の日もあるほど極寒になると説明しました。その他、モンゴルの伝統的な家の形をしているゲルのデザインや、モンゴル衣装、モンゴルならではの食べ物や祭りなどについて紹介しました。

 

留学のチャンスを逃さず、ぜひとも挑戦してほしい。

 土木工学科の子田康弘准教授は、学術の研究、学術の国際交流並びに大学の発展に資するために設けられている日本大学海外派遣研究員制度を利用して、約1年間ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にあるアーヘン工科大学に留学。コンクリートについて研究している研究所に所属し、コンクリート床版への塩化物イオンの侵入を感知するセンサを使った研究を行っているMichel Raupach教授のもと、与えられた研究課題に取り組みました。普段の研究とは若干違う内容を勉強し、ドイツ人技術者の考え方や技術を知ることによって、研究を進化させ研究領域を広げることができたと言います。また、子田准教授は、ドイツでの思い出や様々な出会いがあったことを語りながら、当時の生活を振り返りました。最後に、留学のチャンスがあったら逃さないこと、イギリス、アメリカだけでなく他の国でも十分に語学が学べること、ワールドニュースなどを見て世界情勢を把握することも大事だと諭しました。

 続いて、国際交流委員会委員の川﨑准教授より、今後の海外研修の予定を紹介しました。体験発表にはなかったオーストラリアボンドカレッジの語学研修や長期交換・派遣留学についても紹介。また、留学生と触れ合うことができる課外講座『英語で学ぶ日本文化』についても触れ、「日本にいながら国際感覚を養える場もあるので、ぜひ役立ててほしい」と呼びかけました。

 その後、発表者に登壇してもらい質疑応答を行いました。プログラムの詳しい授業内容や親御さんをどのように説得されたかといった質問にそれぞれ答えてくれました。最後に川﨑先生は「海外での不便さを経験することによって、不便なものを便利なものに改善するための解決策や技術開発につながると思うので、短期でも長期でもよいのでぜひ海外で様々な体験をしてください」と伝えました。

 体験談を聞いた学生たちは参考になる話が聴けたようで、留学への決意を固めていました。

土木工学科1年
 ケンブリッジ大学に留学したいと考えていたが、書類を見るだけでは理解できないこともあったので、生の情報を聞いてみたいと思って参加した。有用な情報が得られたので、ぜひ行ってみようと決心した。

建築学科2年
 大学生活を送る中で、留学という選択肢もあると思い、体験者の話を聞いてみようと思った。語学は身につけておけば、将来武器になり、選択肢も広がる。異国に飛び込んでいくのは刺激があるし、3年になる前にぜひ経験したいと思っている。

 視野を広げ自分を成長させるためにも、海外での経験は大きなメリットがあると言えます。皆さんにも、大学生のうちに海外研修に参加することをお勧めします。